欧州の仮想通貨投資会社コインシェアーズは、新市場として米国へ進出するにあたり、同国の仮想通貨規制に楽観的見方を示した。

9月22日、コインシェアーズは新部門「コインシェアーズ・ヘッジファンド・ソリューションズ」の設立を正式に発表し、初めて米国の適格投資家向けに自社のサービスを提供することとなった。

コインシェアーズの米国市場への進出は、米国内の仮想通貨企業の多くが国内の規制障壁により海外へのビジネス拡大を検討しているタイミングの中で行われた。たとえば、仮想通貨取引所コインベースは、証券法違反の疑いで米証券取引委員会(SEC)から訴訟を受けている中、欧州や英国への進出を積極的に推進している。

多くの仮想通貨業界の関係者は、米国政府の仮想通貨規制の取り組みが仮想通貨企業にとって「魅力を失わせている」と主張している。

しかし、多くの米国の仮想通貨規制批判者とは異なり、コインシェアーズの広報担当者は、米国はデジタル資産開発の世界的リーダーだとコインテレグラフに語った。

「米国が仮想通貨の採用と規制で遅れているという考えとは反対に、私たちの見方は、米国の規制当局がデジタル資産を伝統的な資産クラスと同等に扱うというアプローチによって形成されている。この立場は、2つの産業の融合を促進し、加速させるだろう」と述べた。

コインシェアーズはまた、米国は全世界の資産の50%を管理し、金融市場で優位に立っているともい指摘する。。

コインシェアーズの米国進出は、ジャン=マリー・モニェッティCEOが2023年7月に「欧州の仮想通貨に対するアプローチは、米国の金融機関の力と比較してさらに問題がある」と述べた数ヶ月後のことだ。「これらの金融界の巨人、例えばブラックロックやフィデリティは、最近スポットビットコインETFの申請を発表した。これらの企業は広範な仮想通貨へのエクスポージャーを提供するのに適している」とモニェッティ氏は寄稿記事で書いていた

しかし、米国の仮想通貨規制環境について楽観的である一方で、コインシェアーズは欧州に対しても忠実でありを続けている。「コインシェアーズはヨーロッパに対するコミットメントを続けており、我々のHFSは米国と英国の両方で登録されている」と同社の広報担当者は言う。「我々の視点は、米国では伝統的な金融(TradFi)と仮想通貨の統合がより明確で、欧州では2つのセクターがそれほど相互接続していないという観察に基づいている」と語った。

世界最大の仮想通貨投資会社の一つであるコインシェアーズは、仮想通貨取引商品(ETP)の主要な提供者である。同社は2015年に初のビットコインETPをデビューさせた。コインシェアーズはまだ、米国での現物型ビットコインETF競争に参加する計画を明らかにしていない。「我々は先行情報の開示に関して厳格な規制を遵守しなければならない。したがって、コインシェアーズの将来の製品ローンチに関する具体的な詳細を提供することはできない」とコインシェアーズの広報担当者は述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン