米シンクタンク、英規制当局のマネロン監視義務拡大を懸念 プラバシーの観点から

仮想通貨とブロックチェーンのシンクタンクであるコインセンターは、英大蔵省に対して、マネーロンダリング規制(AML)およびテロ資金供与対策規制(CFT)の範囲を広げすぎないように強く要請した。コインセンターが6月10日に公表したプレスリリースで明らかになった

コインセンターの最大の関心事は、「仮想通貨の開発者だけでなく、すべてのオープンソースソフトウェア(OSS)開発者、デジタルアセットのP2P(ピアツーピア)取引を容易にする人々に対して、データ収集と報告を課す」という英大蔵省の計画にある。

コインセンターは6月7日、英大蔵省に提出したレポート「第5次マネーロンダリング指令(AMLD5)の移行」において、欧州連合(EU)のAMLD5から英国国内法への移行について詳細に述べた。AMLD5は、マネーロンダリング規制(AML)の適用対象に仮想通貨事業者などを加えたもので、EU加盟国は2020年1月20日までに国内法を整備して導入する義務がある。

コインセンターによると、英国はAMLD5と同国財務監視方針との整合性をとる最低限の修正以上に独自条項を追加しており、AMLD5の基本的枠組みを拡大していると主張した。

またコインセンターは、米国のアプローチと同等のものを求めるよう強く要請。英大蔵省が指標としたという、米国財務省の金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)が、銀行秘密法(BSA)および仮想通貨に関して発表した解釈指針を指摘した。

例えばFinCENの解釈では、BSA権限下で他人の仮想通貨を「独立して管理」している人々のみを対象としており、OSS開発者、複数署名サービス事業者、分散型取引所など、単に交換・取引や送信を可能にするものは除外しているという。

コインセンターは、プライバシー保護の重要性が増しているという信念から仮想通貨関連のネットワーク技術を開発していると主張し、次のように示唆した。

「そのような道具は人間の尊厳と自治を守るために必要であると信じている。取引がますます調査され、一握りの民間金融仲介機関や強力な政府によって管理されている世界では、それら道具は政治的・社会的に必要だと主張する。」

コインセンターは、暗号化または分散型の取引・交換ソフトの開発者やユーザーに対するAML監視義務を拡大することは、「市民権および政治権に関する国際規約(ICCPR)、欧州人権条約(ECHR)に明記されている、英国民の言論の自由およびプライバシーの権利を侵害する」と主張した。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版