ブロックストリームのアダム・バックCEOは4月12日、クレイグ・ライト氏が、同CEOに対する名誉毀損訴訟を取り下げたと明らかにした。コンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」の生みの親でもあるバックCEOは、ライト氏が仮想通貨ビットコイン(BTC)創設者サトシ・ナカモトを自称する点について、詐欺的である旨を示していた。
ライト氏は1年前、イーサリアム(ETH)共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏、ビットコインキャッシュを率いるロジャー・バー Bitcoin.com会長、ジャーナリストでポッドキャスターのピーター・マコーマック氏に対して、名誉毀損で訴えていた。
アダム・バックCEOへの名誉毀損訴訟を撤回
バックCEOは4月12日、ライト氏が、同CEOに対する名誉毀損訴訟を取り下げたとツイートした。ライト氏の代理人は「ライト氏が撤回した理由の説明を拒否した」という。
またバックCEOによると、すべての弁護士費用を負担・返済することにライト氏側が同意したそうだ。(弁護士費用の負担では)65~75%の間が「合理的なコスト」の法的基準とされており、この点を踏まえバックCEOは奇妙だと説明している。ライト氏は、(バックCEO分費用を含め)合計2万5000ドル(約269万円)以上の費用がかかっていると推定してるそうだ。
訴訟取り下げの同意後、バックCEOは「翌営業日に電信送金で」約8400ドル(約90万円)を受け取ったと明かし、次のように述べた。
「プラスの面では、英国の名誉毀損法の最新動向について非常に有益な2時間以上のブリーフィングと、ピーター・マックコーマック氏への訴訟について、法務専門家による説明のための費用を負担してくれたライト氏に感謝したい(ほとんどの場合、笑いを抑えられなかった)」
バックCEOの発表を受けて、マコーマック氏は「次は、自分だ」とツイートした。
ライト氏による名誉毀損訴訟の行方は?
2019年7月、イングランドおよびウェールズの高等裁判所は、管轄権の欠如を理由に、ロジャー・バー氏に対する名誉毀損訴訟を却下した。バー氏は、2019年5月に12万5000ドル(約1345万円)を求める名誉毀損の訴訟を受け、「クレイグ・ライトは嘘つきで詐欺師だから、訴えてきた」とビデオメッセージを公開し、反論した。
ヴィタリック・ブテリン氏は、2019年4月にライト氏から送られてきた訴状に返信しておらず、この件に関する進展はないようだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン