既報の通り、米国の代表的な株価指数であるS&P500とビットコイン(BTC)の相関が過去最高水準を記録したことが明らかになったことから、ビットコインの安全資産としての役割にますます疑問が高まっている。しかし、仮想通貨データ分析企業コインメトリックスの最新レポートによると、S&P500とビットコインの相関の高さは一時的なもので今後はビットコインと金(ゴールド)の相関が高まる可能性がある

新型コロナウイルスによる未曾有の経済危機の中でビットコインはこれからどうなるのか?1カ月を切った半減期はどのような変数となるのか?依然として結論が出ない状況が続いている。

(出典:Coin360 日本時間4月15日19時05分)

S&P500との相関は金も上がった

先月半ばからビットコインとS&P500の相関関係が上昇したことが話題になったが、コインメトリックスは、あくまでビットコインとS&P500の関係の強化は「かなりユニークな市場環境下」に置いてのみだとし、投資家が現金化に走ったことが主要な要因だという立場を貫いた。

「ビットコインのファンダメンタルズは過去1ヶ月間で変わっていない。しかし、外の世界が大きく変わった」

またコインメトリックスは金も同時期にS&P500との相関関係が上がったと指摘。2013年以来で金とS&P500の相関関係は最高をつけたとして、ビットコインだけの問題ではない点を強調した。

(出典:CoinMetrics「金とS&P500の相関関係」)

ビットコインの「安全資産」ステータス

ビットコインと伝統的な安全資産である金の相関関係は歴史的には高くない。しかし、コインメトリックスによると、ビットコインと金の相関関係は3月中中のマーケット暴落以降に急上昇。それ以降も、比較的高い相関関係を維持している。

(出典:CoinMetrics「金とビットコインの相関関係」)

コインメトリックスは、データ不足であることから確定的なことはまだ言えないとしつつも、段階的にビットコインと金の相関関係が高まってきている可能性があると分析した。

「ビットコインと金の相関関係は2020年初頭にも同じような形で高まった。 State of the Network Issue 33で伝えたように、米国とイランの軍事的な緊張の高まりに対して1月の相関関係は高まった」

またコインメトリックスは、世界的に金融緩和策が取られる中、インフレ期待の高まりとビットコイン価格にも相関関係の上昇が見られると指摘している。

米仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルのマイク・ノボグラッツ氏は、S&P500とビットコインの相関の高まりを悲観していない。ブルームバーグによると、むしろ「ビットコインの時代はこれからだ」と主張し、欧米でこれまでにないくらいビットコインの利用率が上がっていると私見を述べた