【動画あり】「クリプト×ゲーム」は日本にとって自然なことだ、クリプトキティーズ共同創設者インタビュー

 8月10日、イーサリアムの分散型アプリ(Dapps)クリプトキティーズが日本で初のミートアップを開催した。開催わずか3日前でのアナウンスだったにも関わらず、当日は100人以上がミートアップに参加した。ミートアップ当日の様子は、主催したCryptoAgeが「あたらしい経済」でまとめている

 クリプトキティーズはミートアップと同時に日本語版の公式ツイッターも開設。公式サイトの日本語ローカライゼーションも進んでいる。

 コインテレグラフ・ジャパンは、イベントに登壇したクリプトキティーズの共同創設者、ベニー・ギャン氏にインタビュー。日本市場への期待や分散型アプリ(Dapps)の普及に向けた課題などについて話を聞いた。

日本のゲーム会社にコンタクト

「今回のイベントは、わずか3日前のアナウンスだった。日本のお盆休みと重なってしまうとも聞いていたので、もしかしたら人が集まらないんじゃないかと思ったけど、120人近くもの人が集まってくれた。多くの人がクリプトキティーズのことを知っていて、実際にプレイもしていてくれた。非常にエキサイティングなイベントだったよ」

10日開催されたミートアップで話すベニー氏

 ベニー氏は日本のマーケットでの展開を考える際には「「クリプトサイドとゲームサイドとのコンビネーションが重要になる」と語る。10日のイベントを機に、日本でのファンづくり、コミュニティづくりを積極的に進めたいという。また日本のゲーム会社とのパートナーシップも模索している。

 

「まだ一部英語のままのところもあるけれども、日本語のローカライズはかなり進んでいる。私たちの翻訳チームがクリプトキティーズの魅力をうまく日本語にしてくれたと思う」

「ツイッターでクリプトキティーズJPのアカウントを作った。クリプトサイドでは、ツイッターやテレグラムなどのグループが重要になると思うからね」

ゲームサイドについてはまだ模索している最中だ。私たちは複数のゲーム会社とコミュニケーションを取っている。プロモーションのサポートや、パートナーとなってもらうためにね。…本当に伝統的なゲーム会社から、新しい、成長している会社まで様々だ」

日本のマーケットは非常に重要だと考えている。マーチャンダイズ、モバイルアプリ、デジタルアセットといった組み合わせについて、ポテンシャルがあると思っている。様々なレイヤーで可能性を考えていきたい。こういった分野を開拓できる(日本での)パートナーシップを構築していきたい」

「クリプト×ゲーム」は日本にマッチ

 日本での滞在を通じて、日本のマーケットには、非常に好印象を持っていると話す。その中でも、日本の開発者コミュニティについて強い印象を持ったようだ。最近出演したポッドキャストでも、日本の開発者コミュニティを称賛している。

 

「日本は仮想通貨について成熟したマーケットを持っている。多くの若い世代の人が仮想通貨に大きな興味を持っていて、そして実際に投資している。そして日本にはゲーム、コミック、アニメの巨大な文化がある。日本のオーディエンスにとって、ゲームとクリプト、この2つの文化が融合していくのはナチュナルなことでじゃないかな

「それに日本で非常に印象に残ったのは、開発コミュニティだ。イーサリアムのコミュニティをはじめ、若くて優秀なエンジニアやディベロッパーたちがコミュニティを作っていて、成長を続けている

カギとなる大手ゲーム会社

日本でのミッシングピースは大手企業の決断だ。これはテクノロジーの問題ではないと思う。彼らは本当に技術力があると思う。ただ大手企業になるとリスクを重視してしまう傾向があると思う。ほかの競合の動向を見てしまったり、短期的なキャッシュアウトの面を見てしまったりしてしまうのではないか。残念なことに、今の仮想通貨マーケットが下落していることもあると思う」

大手企業がブロックチェーンに入ってくるには、ブロックチェーンゲームが何かを知ってもらう必要があると思う

デジタルアセットとしてのブロックチェーンゲーム

「ブロックチェーンゲームといった場合、例えば仮想通貨をもらえるゲームとか、ゲームに関連したICOというものもある。しかし、私たちが焦点を当てているのは、デジタルアセット、デジタルアイテムとしてのゲームだ。クリプトキティーズは、デジタルアセットだ。そこがまず最初にあるんだ

「プレイヤーはクリプトキティーズで作ったネコちゃんを所有することができる。アイテムを奪われてしまうこともないし、ゲームが配信停止となって、それでお終いというわけでもない。ブロックチェーンゲームはデジタルアイテムを本当の自分の資産のように、売ったり買ったり、レンタルしたりすることができる。もしかしたら自分の子供に相続することだってできる。これは普通のゲームと大きく違う点だ

 ベニー氏は10日のミートアップでも、オークション大手のクリスティーズとコラボレーションしたチャリティイベントや、10歳の女の子ベラちゃんがクリプトキティーズを利用して、シアトルの小児病棟のために1万5000ドルを集めて、寄付したエピソードを紹介。デジタルアセットによる新たな経済の在り方を語った。

 

「10歳のベラちゃんは、新しい技術を学び、そして新しい事例を創り出してくれた。お金の大きさは関係ない。ブロックチェーンから新たな価値を生み、そしてまたそれを寄付することで、新たなものを生み出した。まさにウィンウィンの姿だ」

「クリプトキティーズでデジタルアセットを所有することで、自分の興味ある分野で新しいことができる。デジタルアセットとリアルの興味深いインタラクションになるだろう。僕たちは、デジタルアセットの可能性をもっと広く知ってもらいたい」

日本や中国、韓国のマーケットでも、ブロックチェーンとチャリティ、アートといったコラボレーションについて、可能性を模索していきたいと考えている」

新たなゲームのビジネスモデル

 クリプトキティーズは、ホワイトペーパーの中でICOに依存しないビジネス展開を掲げている。ベニー氏は、クリプトキティーズのビジネスモデルが、ゲームの収益モデルの「第三の道」になると考えている。

 

「ディアブロやワールド・オブ・ウォークラフト。どの人気ゲームにしてもセカンダリーマーケットを持っている。その中でゴールドやアイテムを売ったりね。セカンダリーマーケットは良いビジネスだと思うけど、時にはスキャムがあったりもするだろう。それに多くのゲームプレイヤーが常にセカンダリーマーケットを見ているわけではない」

「セカンダリーマーケットをプライマリーマーケットにするにはどうしたらいいのか。僕たちは、新しいビジネスモデルを構築しようと、それを深く追求しようとした。そこで出てきたのが『0世代』のキャットの売上から収入を得るモデルだ。これは今年10月にもう終わってしまうけどね。それにマーケットでのトランザクションについて3.75%のフィーを受け取っている。これは非常に面白いビジネスモデルだと思う」

「従来のゲームのマネタイズとしては大きく2つの方法があったと思う。1つは広告による収入、もう1つはゲームへの課金だ」

僕らのモデルは第三の道になると思う。ベストなゲーム、ベストなアイテム、ベストな経済にフォーカスできる。僕らの方法はゲームのビジネスモデルとしてとても安定的で、非常に革命的な方法だと思う。マネタイズの革命になると思っている

「でもこのやり方はまだまだ端緒に付いたばかりだ。これからも成長していくだろうし、新しい第四の道や第五の道も出てくるだろうゲームは、よりクリエティブな面に焦点を当てていくことになると思う。これまで以上に、より多くの人にゲームへの扉を開くことになるだろう

ゲームが新たな雇用を生む世界

 ベニー氏は「ブロックチェーンゲームから新しい仕事が生まれるかもしれない」と言う。民泊サービスのAirbnbや中国の配車サービスのDiDiが人々に新しい雇用を生んだように。

 

「今までのゲームが新しい雇用を生むことはあったか?ゲームのクリエイターのことではなく、ゲームのプレイヤー側での話だ。今はEスポーツのプレイヤーたちがいるけれども、1~2%くらいではないだろうか。では残りの1日に数時間もゲームをプレイする人々は、フルタイムはもちろん、パートタイムでも仕事を得ることは難しいだろう。みんな、ほかの仕事をして、お金を得ている」

「近い将来、プレイヤーサイドから新しい仕事が生まれることになると思う。オリンピック選手並みのプレイヤーでなくても、パートタイムのゲーマーとしてお金を得ることができるようになる。マーケットプレイスでデジタルアセットを売ったりすることでね。ブロックチェーンゲームが本当の雇用を生むことになるだろう。デジタルワールドから実際の物理的世界に変換させることになる」

Dappsの普及するためには

 イーサリアムの分散型アプリ(Dapps)の代表例ともいえるクリプトキティ―ズだが、Dappsの普及が進むのには何が条件となるだろうか。

 

Dappsの普及は、仮想通貨の普及とも関連するだろう。仮想通貨はいまやポピュラーになっている。日本では仮想通貨取引所の規制やセキュリティの問題に焦点が当たっていると思う。顧客確認(KYC)とかライセンスとかだね。日本の消費者にとっては、こういったものが整うことは非常にいいことだと思う。非中央集権的な世界を求めているけど、現実世界の制度との調整が必要な局面もあるだろう」

「グーグルやフェイスブックはいまや誰でも知ってるし、使われているけれど、それにだって時間がかかった。技術が追い付かないといけないし、消費者の理解も進まないといけない。まだ数年の時間が掛かるかもしれない」

「キラーアプリが必要と言われるけど、誰も殺す必要はないよ。より重要なことは多くの人が挑戦することだ

PCやウェブ、スマートフォン。新しいプラットフォームの最前線にいたのは常にゲームとエンターテイメントだった。『ゲームを楽しみたい』。これは人の本質的な面だ。人は皆、同じエモーションを持っている。Dappsが普及するには、多くの人が面白いDappsを作ることが大事だ。何十億の人にブロックチェーンの魅力を伝え、その世界に来てもらわなくてはね