欧州の仮想通貨投資会社コインシェアーズは、米国の競合であるヴァルキリー・ファンズの買収に向けて動いている。ヴァルキリー・ファンズは、米国内で現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)を発行している。
コインシェアーズは1月12日、ヴァルキリーの買収オプションを行使し、米国市場への進出を強化すると発表した。コインシェアーズの広報担当者はコインテレグラフに対し、取引条件について明らかにしなかったが、「コインシェアーズはデジタル資産を専門とする世界をリードする投資会社を目指している。米国への進出と現物型ビットコインETFの競争への参加は論理的な次のステップだ」と語った。
コインシェアーズの発表によると、同社は米証券取引委員会(SEC)がヴァルキリーの現物型ビットコインETFを含む10の現物型ビットコインETFを承認したことを受けて、このオプションを行使することを決定した。「ヴァルキリー・ビットコイン・ファンド」と呼ばれるこのビットコインETFは、2024年1月11日にナスダックでBRRRのティッカーシンボルで取引を開始した。
ヤフーファイナンスのデータによると、取引初日には、ヴァルキリーのBRRRの取引高は約900万ドルだったが、1日に20億ドル以上の取引を行うグレイスケールのような大手には及ばなかった。

ヴァルキリー買収は、デューデリジェンスの完了、必要な法的合意の最終決定、そして最終的な取締役会の承認を条件としている。
発表によると、ヴァルキリーファンズは買収が完全に実行され、最終化されるまで運営の独立性を維持している。コインシェアーズは2023年11月にヴァルキリーの仮想通貨部門の買収オプションを確保しており、このオプションは2024年3月31日まで有効だ。
コインシェアーズがヴァルキリーの買収に向けて進展を見せるのは、米国の規制環境が好転し、デジタル資産の提供を米国市場で拡大するという同社の戦略に沿ったものだ。「ヴァルキリー・ファンズの買収オプションを行使することは、欧州での成功を米国で展開し、米国の投資家に規制されたデジタル資産商品へのアクセスを提供することを目指している」とコインシェアーズのジャン=マリー・モグネッティCEOは述べている。
ヴァルキリーのリア・ウォルドCEOは、コインシェアーズの専門知識とヴァルキリーの強みを組み合わせることで、「特にデジタル資産ETF市場において、米国のデジタル資産投資分野で前進することを約束する」と語っている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン