米最大の仮想通貨取引所コインベースが、ついに上場に向けて本格的に動き出したようだ。今回コインベースの上場が認められれば、仮想通貨取引所として初めての上場となる。
同社は29日、公式ブログでクラスA株の直接上場を行うと発表した。今後、米証券取引委員会に申請書類であるフォームS-1を提出する意向だ。コインベースは2020年12月にSECに上場に向けた草案を提出したことを明らかにしていたが、直接上場かどうかは明示していなかった。
直接上場とは上場時に新株を発行しないで、既存の株式だけで上場する方法のことだ。IPO(新規株式公開)とは異なり、既存株主は上場後に保有株を売却が可能となることが特徴で、最近の上場で採用する企業が多い。米国ではスラックやスポティファイなどが同様の手段を取っている。最近ではデータ解析を手がけるパランティア・テクノロジーズが、この直接上場を用いたことが話題となった。
コインベースはブログの中で「上場は有価証券を販売したり、買い付けを勧誘するものではない」と強調した。
これまでにビジネスインサイダーの報道では、ゴールドマンサックスと共同で新規株式公開を行う意向があるとされていたが、これについて、今回の発表では触れられていない。
2018年、コインベースの評価額は80億ドルと推定されていた。仮想通貨分析を手がけるメサーリによると、株式公開後の同社の価値は280億ドルまで上昇すると予想している。現在コインベースは3200億ドル以上の取引高を記録し、3500万人以上のユーザーを抱えているとされる。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン