コインベースが仮想通貨ウォレットの新バージョンをリリースする。これにより、ユーザーは複数のプラットフォームからポートフォリオにアクセスできるようになる。
コインベースは7月11日、新しいウォレットがデスクトップおよびモバイルデバイスのウェブサイトを通じて利用可能になると発表した。ユーザーはウォレットコネクトをサポートする任意のセルフカストディウォレット、例えばメタマスクやファントムウォレットに接続し、アプリケーション全体での資産を集約的に表示することができる。コインベースウォレットを持っていなくてもこのサービスを利用可能だ。
コインベースによると、このソリューションは個人投資家ユーザーが非代替性トークン(NFT)や分散型金融(DeFi)のポジションをウォレット間で追跡する需要に応えるものだ。
「多くの人々が複数の仮想通貨ウォレットを管理しており、すべての資産を1か所で包括的に見ることが課題となっている」とコインベースはのべた。
このサービスを提供するのはコインベースが初めてではない。ゼリオンウォレットは、ユーザーが複数のウォレットを接続し、NFTやDeFiポジションを含む仮想通貨ポートフォリオを追跡できる。このプラットフォームはイーサリアム、BNBスマートチェーン、ポリゴンなどの複数のブロックチェーンをサポートしている。
コインベースのウォレットはビットコイン、ソラナ、イーサリアムベースのチェーンに対応している。
コインベースのプロダクトマネジメントシニアディレクターであるシド・コエリョ・プラブ氏は、プラットフォームのユーザーに対して料金は発生しないと語った。「ユーザーは資産を送受金する際、セルフカストディウォレットと同様にネットワークトランザクション手数料(コインベース手数料ではない)を支払い続ける」とのべた。
フィッシング、詐欺、その他の脆弱性
コインベースウォレットのユーザーは過去に高度なフィッシング攻撃、詐欺、その他の脆弱性の標的となっていた。詐欺師が正規のものを装ったメールなどを利用してユーザーから機密情報を引き出そうとしている。場合によっては、コインベースのサポート社員も騙され、不正アクセスや資金の盗難が発生したという。
コインベースは、セキュリティチームがユーザーの資産を保護するためにバイオメトリック認証、パスワード、セキュリティロック、承認アラート、スパムトークン管理などの新機能やセキュリティ対策に継続的に取り組んでいると述べている。「どんなプラットフォームでも、安全対策や高度なセキュリティ技術があっても、ユーザーが詐欺の被害に遭う可能性はゼロではない。セキュリティは共有責任であり、全員が役割を果たす必要がある」とコエリョ・プラブ氏は説明し、顧客教育がセキュリティ向上の重要なステップであると語った。