コインベースは、顧客や企業のUSDコイン(USDC)残高の一部を、約7ヶ月前に立ち上げた自社のイーサリアムレイヤー2ブロックチェーン「Base」に移行することを開始した。
コインベース副社長のマックス・ブランズバーグ氏は3月26日、この移行により「顧客資金の管理と保護を低コストかつ迅速な決済時間で行えるようになる」とXに投稿した。この変更はコインベース・ドットコムのアカウントにのみ影響し、秘密鍵を自己管理しているコインベースウォレットのユーザーは対象外だ。
現在、コインベース・ドットコムのユーザートークンは、マルチパーティ計算(MPC)により保護されたウォレットでコインベースによって保管されている。
ブランズバーグ氏は、コインベースが顧客資産を常に1:1で保持し、指示されない限り資金を貸し出さないことを強調した。
コインベースのオンチェーンへの移行は、将来のオンチェーン金融システムへの道を切り開くと、イーサリアムに焦点を当てた番組「Bankless」の共同ホスト、デビッド・ホフマン氏が3月26日のXの投稿で解説する。Banklessの共同ホストであるライアン・ショーン・アダムス氏は、この移行がほかの仮想通貨取引所や銀行にとっても先例となると考えている。
しかし、この移行を支持する声ばかりではない。Xのユーザー「callmeKappa.algo」は、Baseが現状では中央集権的すぎると指摘する。
L2BEATのデータによると、現在コインベースはBaseの唯一のシーケンサーであり、チェーンはコインベースによって完全に制御されている。しかし、同社はBaseを徐々に分散化する意向を繰り返し表明している。
Baseは2023年8月9日にイーサリアムのスケーリングソリューションとして立ち上げられた。これはオプティミスティック・ロールアップを使用してトランザクションデータをオフチェーンに保存し、イーサリアムのベースレイヤーにトランザクションを送信する。コインベースは10月にBaseのコードをオープンソース化し、透明性と説明責任を高めている。
L2BEATによると、Baseは現在26億3000万ドルの総ロック価値を有しており、イーサリアムレイヤー2の中ではアービトラム、オプティミズム、ブラストに次ぐ第4位だ。Baseは3月16日に200万の日間トランザクションを記録し、新規ユーザー数の日々の増加も続いている。