コインベースは、米ナスダックに直接上場する1週間前に、2021年第1四半期の決算を公開している。これによると、取引高は276%増加し、第1四半期の収益は18億ドルに達したという。

今回の発表で明らかになった好調な収益は、前年同期の収益である1億9000万ドルという数字を小さなものに感じさせるものだ。この爆発的な成長は、ビットコインの強気相場によってもたらされた。

コインベースは純利益は7.3億ドルから8億ドルになると推定している。調整EBITDAは約11億ドルだ。

コインベースの最高財務責任者(CFO)のアレシア・ハ―ス氏は、「仮想通貨が過去最高値となったことで、ユーザーのアクティビティや取引高が飛躍的に増加するのを目にした」と語っている。

ハ―ス氏は、5600万人の検証済みユーザーを誇り、今年の月間アクティブユーザー数は最大で700万人に達するだろうと述べている。弱気相場が今年に発生した場合、これが400万人にまで減少する恐れがあるとも警告している。

コインベースは新規顧客の獲得に多額の費用をかけている。来週の上場に続き、コインベースは「2021年の有意義な成長」を推進するため、セールスおよびマーケティング関連の支出を今年の総売上高の13~15%にまで増やす予定だ。

「2021年通年において、事業を拡大し、製品イノベーションを推進し続けるため、当社の技術開発費と一般管理費は、株式ベースの報酬を除き、13億ドルから16億ドルの間になると予想している」

今回発表した決算の結果はあくまで暫定的なものだが、コインベースは4月14日に予定されていたナスダック上場の前に詳細なレポートをリリースしたいと考えた。コインベースは、「COIN」のティッカーシンボルで、クラスA普通株1億1500万株近くを登録している。直接上場として、取引所は新しい株式を販売せず、既存の株式のみを登録できるため、既存の利害関係者は新しい投資家に株式を販売できる。

コインベースの評価は、680億ドルというものから、1200億ドルを超えるというものまで、複数の評価がある。

投資調査会社ニューコンストラクトのデビット・トレーナーCEOは、高い期待に疑問を呈している。「コインベースの予想評価額が1000億ドルというのは高すぎる」と、顧客向けのメモで指摘している。

「成熟した仮想通貨取引市場での競争激化と現在の市場シェアとマージンの持続可能性の欠如を考えると、同社がバリュエーションに刻まれた高い期待を正当化できるという議論は難しいだろう」

仮想通貨デリバティブ取引所FTXのサム・バンクマン-フリード氏は、コインベースの印象的な第1四半期の数字と上場を祝福し、自身の取引所と数字を比較している。