ニューヨークの規制当局が仮想通貨に友好的だったシグネチャー銀行を閉鎖してから1週間以上が経ち、コインベースはシグネチャーのシグネット決済プラットフォームへのサポートを停止したと報じられている。

ウォール・ストリート・ジャーナルの3月20日の報道によると、コインベースのユーザーは、銀行の営業時間外にシグネットを使って資金を送ることができなくなるという。コインベースは、別の決済ネットワークプロバイダーを探している状況であるという。

3月8日のシルバーゲート銀行、3月10日のシリコンバレー銀行の破綻に続き、シグネチャー銀行が仮想通貨に関係する銀行として3番目のドミノ倒産となった。金融規制当局は「銀行システムに対する国民の信頼を強化することで米国経済を守る」ために介入したと主張しているが、報道によると、シグネチャーは3月12日に閉鎖された時点で支払能力に問題はなかったとされている。

米国連邦預金保険公社(FDIC)は、同行の預金とローン(約40億ドルの仮想通貨預金を除く)をニューヨーク・コミュニティ・バンコープのフラッグスターバンクに売却すると発表した。FDICは、デジタルバンキング口座で仮想通貨預金を「顧客に直接」提供する計画だという。

コインベース、セルシウス、パクソスはいずれも、シグネチャー閉鎖時に同行に紐づいた資金を持っていた。コインベースは2億4000万ドルの企業資産が「完全に回収される」だろうと述べ、パクソスは同銀行で保有する2億5000万ドルの資産があると報告し、セルシウスはいくらかのエクスポージャーがあるとしたが正確な金額は明らかにしていない。

米国下院金融サービス委員会は、3月29日にシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を探る公聴会を実施する予定だ。FDICのマーティン・ グルーエンバーグ総裁とFRBのマイケル・バー副議長(監督担当)が証言する予定だ。