米仮想通貨取引所コインベースは、分散型取引所(DEX)の立ち上げを計画していない。仮想通貨関連ニュースサイト「ザ・ブロック」が5月29日に公開したインタビューにおいて、同社幹部が明かした

同社ビジネス・データ&インターナショナル担当副社長のエミリー・チョイ氏は、 コインベース動向に関するさまざまなトピックに触れ、P2P(ピア・ツー・ピア)プラットフォーム「パラデックス」を2018年に買収したにもかかわらず、分散型の取引は優先事項ではないという。パラデックス自体は仮想通貨を保管せず、顧客同士が自分のウォレットで直接取引できるためDEXの1つと見なされていた。

チョイ氏は、「パラデックスを展開する様子を見るのは興味深いだろう。多くの可能性があると思う」と述べたものの、今後のパラデックスの詳細には触れなかった。

また近年コインベースは、米国内外で多くの仮想通貨投資家をターゲットにしており、仮想通貨業界のメインストリームに焦点を当てている。

チョイ氏は、これにより同社は、バイナンスなどの仮想通貨取引所とは異なる立場にあると指摘した。「我々は、明らかに法定通貨と仮想通貨を結ぶ存在で、仮想通貨経済において安全で信頼できる中心的存在になろうとしている点で、他とは異なる役割を果たしている」と説明。チョイ氏は次のように続けた。

「我々がDEXを展開するなら、安全かつセキュリティに問題がないか、規制・法令を遵守しているか、確認する必要がある。DEXがどのように機能するのか、今のところあまり明確ではないと考えている。DEXは興味深いものの、現時点では積極的に投資していない。」

バイナンスは、総取引高において、全世界の取引所の中でも常にトップに位置している。その点についてチョイ氏は、コインベースとバイナンスは、仮想通貨業界内で別々の場所を占めていると示唆した。同氏は、「法定通貨と仮想通貨に焦点を合わせ、安全かつ信頼できる仮想通貨経済の中心を目指すという点では、我々コインベースはバイナンスほど差別化できないだろう。バイナンスは独自の道を歩み、我々コインベースも別の道を歩んでいる」と述べた。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版