仮想通貨取引所コインベースと保険大手エーオン、ハッキング被害などに備え保険子会社の設立を検討

ある業界関係者によると、米国最大の仮想通貨取引所コインベースが、仮想通貨保険市場の50%のシェアをうたう米保険大手のエーオンと提携し、自社のキャプティブ保険会社の立ち上げを検討しているという。ハッキング被害などによる損失を、法律・規制に基づき確保した資金でまかなうために、設立するものと見られている。コインデスクが7月10日に報じた

会計業界の専門メディアのCPAジャーナルによると、「キャプティブ保険会社は、国の保険部門の指導の下、(親会社の)未処理損失を(法律・制度に基づいた)正式な構造でまかなうために、民間企業により設立された子会社」という。経済産業省リスクファイナンス研究会「リスクファイナンス研究会報告書(2006年3月)」では、一般的な保険企業では引き受けが困難な、親会社のリスクを専門的に引き受けさせるために、親会社により所有・管理されている保険会社と説明されている。

このような解決策は、企業が保険料に費やすコストの削減に役立つもので、CPAジャーナルによると、フォーチュン500社のほぼすべてがキャプティブ保険会社を経営しているという。

またコインベースとエーオンは、仮想通貨取引所が利用可能な保険の不足に対する解決策と見なしているそうだ。

記事によると、ハッキング被害などによる損失に備え、通常取引所は仮想通貨などの資産を確保しているという。ただし、従来は法律・規制に基づく構造を欠いている上にあくまで自己保証であること、また取引所は保険以外の他の理由でもこれら資金を使えたり、保険の適用範囲があいまいといった問題を抱えているそうだ。

一方キャプティブ保険会社の場合、保険用の資金を分離・確保する形態になるほか、規制・監査を受けることになるという。

コインベースとエーオンのどちらも、コインデスクからの問い合わせにコメントしていないものの、エーオンは、ある顧客のために、仮想通貨業界で初めてキャプティブ保険会社を今年初頭設立したことを明らかにしたそうだ。

エーオン常務およびプラクティス・リーダーのジャックリーヌ・キンタル氏は、仮想通貨取引所では同種の解決策の検討が増えていると明かした。

「キャパシティ(保険引受能力)に不足があり、(保険)市場で利用可能なものに不満を感じ、代替ソリューションを模索している人もいます。(中略)ほとんどの場合、伝統的な保険をまずある程度用意してから、キャプティブ保険会社を含む代替構造を探ることになるだろうと考えている。こういった議論はますます増えている」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版