コインベースは、2022年7月に出した米証券取引委員会(SEC)への請願に対する「イエスかノー」の回答を得るため、米連邦裁判所で訴訟を起こした

この請願では、米国の仮想通貨業界に対するより明確な規制指針を提案しており、SECに規制方針を採択するよう求めている。

コインベースは請願で、特定のデジタル資産に対する規制的取り扱いに関して、SECに合計50の具体的な質問に回答するよう求めている。質問は、トークンを証券として分類する方法に関する説明をSECに求めるものから、SECが規制する取引所での仮想通貨の購入と売却に関するより明確なガイドラインを求めるものまで幅広いものだ。

コインベースの最高法務責任者であるポール・グリューアル氏が書いたブログ投稿によれば、行政手続法では「合理的な時間」以内にコインベースの請願にSECが回答する必要があるという。

9ヶ月以上の時間が経過してもSECからの回答がないため、コインベースは回答を得るために訴訟に踏み切ったという。

「SECはすでに私たちの請願を却下するつもりだと決めているようだが、まだ一般には伝えていない。今日コインベースが起こした訴訟は、単純に裁判所にSECにその決定を公表するよう求めるものだ」

「規制策定を求める請願に対して、SECやその他の機関が決定を下した後に回答することは重要だ。特に回答がノーの場合は」と、グリューアル氏は説明している。

グリューアル氏は、これらの問題に対する明確な回答が最も重要であると述べており、特にコインベースが3月22日にSECからウェルズ通知を受け取り、コインベースに対する取締りの可能性が示唆されている事実を考慮すると、特に重要であるとしている。グリューアル氏は、「コインベースや他の仮想通貨企業は、SECから潜在的な規制執行措置に直面しているが、私たちのビジネスに法律がどのように適用されるかは明確にされていない」と述べている。

2月9日には、コインベースの競合他社であるクラーケンが、るステーキングサービスプログラムを巡ってSECと3000万ドルの和解に達した。このステーキングサービスプログラムは、SECによって証券と認識されていた。

今年の2月12日には、SECとニューヨーク州金融サービス局が、米ドルペッグのステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)の発行者であるパクソスに対し、トークン発行を停止するよう命じた

米国で仮想通貨に対する規制・取締りが相次ぐ中、米民主党の大物上院議員エリザベス・ウォーレン氏は3月31日に、自身の上院再選キャンペーンの重要な部分として「アンチ仮想通貨軍団」を結成すると発表した

A screenshot of a video shared by Warren for her re-election campaign promising to build an "anti-crypto army." Source: Twitter

米国が仮想通貨業界に対して厳しい姿勢を示すようになる中、コインベースは一部の業務を他国に移す意向を示しているとも報じられている。4月19日の報道によれば、コインベースはバミューダでのライセンスを取得し、今週中にもそこでデリバティブ取引所を立ち上げることを模索している。

コインベースは、米国で唯一の上場仮想通貨取引所であり、アナリストたちは、5月4日に予定されている取引所の決算を、米国の仮想通貨セクター全体の健康状態を測る指標として注目しているようだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン