仮想通貨相場の低迷が続いていることから、フェイスブックなどの米ハイテク企業にとって仮想通貨やブロックチェーン企業の従業員を獲得しやすい状況になりつつあると11日付のCNBCが報じた。
先日、フェイスブックが、スマートコントラクトを構築し、決済スピードの向上などを目指してChainspace(チェーンスペース)を買収。フェイスブックにとって仮想通貨・ブロックチェーン業界で初の買収となったこの件は、優秀なスタッフを獲得するAcqui-hire(アクハイヤー)と呼ばれる形式だった。
JMPセキュリティーズでブロックチェーンとデジタル資産を手がけるサタイヤ・バジパイ氏は、CNBCに対して、アクハイヤーはハイテク大手にとって、すでに活躍するブロックチェーン専門家を素早く獲得する手段と解説。ブロックチェーン技術が成熟し普及が進むにつれて、こうした提携関係の成立による「雪だるま式効果」が見られるだろうとバジパイ氏は予想した。
またバジパイ氏は、仮想通貨が急落した現在、ブロックチェーン企業が資金調達を行うのが難しくなっていることも背景にあると指摘。とりわけ「消費者の間での普及」や「収入」での進展を見せられないプロジェクトがさらに出資を投資家に頼むのは困難な状況だという。
足元でなかなか回復しない仮想通貨相場。ハイテク企業にとって、優秀なブロックチェーン開発者の取り込みを本格化する機は熟しているのかもしれない。