米国最大のデリバティブ取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)における暗号資産の取引量が1月に過去最高の約2億8,500万ドルに達したことが、暗号資産調査会社CCDataの2月6日のレポートで明らかになった。

1月の取引量は前月比約8%増加しており、ビットコイン(BTC)先物およびオプション取引の活発化が要因とされる。CCDataによると、ビットコイン先物の取引量は約12%増の2,200億ドルに達し、ビットコインオプションは約125%増の60億ドルに迫った。一方で、イーサ(ETH)先物の取引量は約13%減の410億ドルとなった。

CCDataのデータによれば、1月のデリバティブ全体の取引量は取引所全体で約19%減少した。

Derivatives trading activity, monthly. Source: CCData

暗号資産デリバティブの拡大

ビットコイン先物の人気が高まり、1月29日時点でオープン・インタレスト(未決済建玉)が約580億ドルに達したことが、Glassnodeのデータで示されている。

先物契約は、将来の特定の日付に基礎資産を売買する標準化された契約であり、機関投資家のヘッジ戦略において重要な役割を果たす。また、レバレッジを活用した方向性のある取引が可能なため、投機目的でも人気が高い。

CMEは、小口のビットコイン「フライデー先物」に関連するオプションの上場を準備しており、個人投資家の間で暗号資産デリバティブへの関心が高まる中での動きとなる。

オプション契約は、特定の価格で基礎資産を売買する権利を与えるもので、コール(買い)とプット(売り)の2種類がある。CMEは2023年9月に、1BTCの50分の1のサイズとなる「ビットコインフライデー先物」を導入している。

暗号資産デリバティブの取引量は今後さらに増加する可能性がある。これは、取引所がビットコイン上場投資信託(ETF)のオプションを上場する動きと関連している。

昨年11月には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックを含む複数の取引所が、米証券取引委員会(SEC)の承認を受けてBTC ETFのオプション取引を開始した。11月18日の初日には、ブラックロックのBTC ETFオプション契約が総額約20億ドルのエクスポージャーを記録した。

投資運用会社は、米国でのスポットBTC ETFオプションの導入が機関投資家の参入を加速させ、BTC保有者にとって「大きな上昇余地」をもたらす可能性があると見ている。

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