外国為替取引(FX)決済大手CLSブロックチェーン決済ネッティングサービスが、11月28日に稼働を開始した。同社のプレスリリースによれば、同サービスはIBMと協力して構築され、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーがこのサービスのイニシャル・ユーザーとなった。

CLSグループは1日平均5兆ドルの支払指図書を決済しており、その会員にはゴールドマン・サックス、JPモルガン、バークレイズ、およびシティグループも含まれるという。

CLSNetは「ブロックチェーン上で実際に稼働している初の世界的FX市場企業向けアプリケーション」と説明されており、ゴールドマンとモルスタのほか、6つの国際的な金融機関が参加する見込みだという。

複数の決済を前もってグループ化することでキャッシュフローの安定化を助けるこのブロックチェーン決済ネッティングサービスは、その他の顧客も利用しているが、具体的な社名は明らかにされていない。

コインテレグラフが以前に伝えた通り、CLSは今月14日に近い将来のサービス開始を発表しており、7月以来最終試験を行っていた。

同社で最高戦略・開発責任者を務めるアラン・マーカード氏は、同サービスのリリースについて次のようにコメントした。

「標準化および自動化された決済ネッティング処理は、日中の流動性の向上、コストの低減、運用効率の改善を導き、最終的にはビジネスの拡大をサポートする」

決済分野におけるブロックチェーン活用は引き続き拡大を見せており、リップル(XRP)などの仮想通貨トークンを使って国境を跨ぐ決済のスピード、効率性、およびコスト効率を上げることに重点を置いた取り組みが行われている。

CLSNetの構築に協力したIBMブロックチェーンでゼネラルマネージャーを務めるマリー・ウィーク氏は、次のように話を続けた。

「世界最大の銀行2行と共にCLSNetが稼働したことで、主要な市場機能に対し、現在も進んでいるブロックチェーン技術の成熟と、実際にもたらすことのできる価値を証明している」