イスラエルによるイラン空爆にもかかわらず、ビットコイン(BTC)の価格は堅調に推移している。ただし、短期的には急落のリスクもあると、コインビューローの創設者であり市場アナリストのニック・パックリン氏は指摘している。特に、イランが石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖した場合、すべてのリスク資産に影響が及ぶ可能性があるという。
パックリン氏は14日、イスラエルとイランの情勢次第でビットコインの短期的な値動きが左右されると指摘する。
「最大のリスクはイランによるホルムズ海峡の封鎖だ。世界の石油供給の約20%がこのルートを通っている。もし封鎖されれば、原油価格は急騰し、リスク資産は暴落する。そして、もしそれが週末中に起これば、24時間365日取引が行われる仮想通貨市場が真っ先に打撃を受けるだろう」
一方で、パックリン氏はビットコインの長期的な価格見通しについて、地政学的要因よりも米ドルの価値低下に強く連動していると強調。米ドルは直近で3年ぶりの安値を記録していることから、今後の上昇余地を示唆した。
ビットコインは現在、マクロ経済資産として個人投資家と機関投資家の双方から注視されている。市場関係者やアナリストの間では、BTCがリスクオン資産なのか、それとも価値保存手段なのかという議論が続いており、資産クラスとして成熟を続ける中でその評価は分かれている。
長期保有者は地政学リスクに動じず
こうした不安定な状況にもかかわらず、ビットコインの長期保有者は引き続きBTCを積極的に買い増している。クリプトクオントのアナリスト、ブラク・ケスメジ氏によれば、マクロ経済の不透明感や地政学的リスクが高まる中でも、いわゆる「蓄積アドレス」による購入が続いている。
蓄積アドレスとは、過去7年間にわたって活動しており、1サトシも売却したことのないウォレットを指す。6月11日には、これらのアドレスに3万784BTC(約33億ドル相当)が流入し、2025年における1日あたりの最高流入額を記録した。
ケスメジ氏は「この急増を受け、蓄積アドレスが保有するBTCの総量は291万BTCに達した。彼らの平均取得価格は現在およそ6万4000ドルとなっている」と述べている。
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