ステーブルコイン発行企業サークルは、6月8日にアービトラムネットワーク上で新たなネイティブバージョンのUSDコイン(USDC)を立ち上げる計画を発表した

ブログ記事によれば、サークルは、これまでアービトラムにブリッジされていたイーサリアムベースのトークンである既存のUSDCを、アービトラムネットワーク上で動作するネイティブトークンに置き換える。「これがアービトラムエコシステム内で認識される公式のUSDCとなり、最終的にはイーサリアムから来る現在のブリッジバージョンのUSDCを置き換えることになる」とのことだ。

立ち上げに先立ち、サークルは既存のイーサリアムベースのUSDCを「USDC.e」と改名する予定で、オリジナルバージョンは「ブリッジUSDC」として、新しいアービトラムベースのバージョンは「USDC」としてリストされる。

この取り組みの目的は、クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)の使用によって取引を高速化することだとサークルは説明している。CCTPは、ブロックチェーン間で資産の移動を処理するプロトコルで、ユーザーが流動性を統合できるようにし、ポートフォリオ全体で仮想通貨とWeb3資産をサポートできるようになる。「これにより、USDCがイーサリアム(およびその他の対応チェーン)とネイティブに行き来できるようになり、出金の遅延がなくなる」とアービトラムチームは述べている。

過去12ヶ月間で、ステーブルコインを巡る状況はネガティブな雰囲気にある。サークル社も例外ではなく、過去12カ月間で市場シェアが大幅に減少した。CoinGeckoのデータによれば、USDCの時価総額は550億ドルから290億ドルに縮小している。この傾向に逆行している数少ない企業の1つがテザーで、同社のUSDTステーブルコインは2022年の47.04%から2023年の65.89%に市場シェアが上昇し、時価総額が830億ドルを超えた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン