米ドルに裏付けられたステーブルコイン、USDCの発行元であるサークル(Circle)の米銀行システムに対するエクスポージャーに関心が集まっている。同社が1月に発表した監査報告書によるとサークルが保有する準備金は、シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行(SVB)、ニューヨークメロン銀行を含む多くの米金融機関におかれている。サークルの準備金のうち、どの程度が昨日破綻したシリコンバレー銀行におかれていたかは現時点では不明だ。同社の準備金を保有する他の銀行には、Citizens Trust Bank、Customers Bank、Flagstar Bankの一部門であるNew York Community Bank、Signature Bankがある。

USDCは取引高ベースでテザー(USDT)に次ぐ米ドル建てステーブルコインだ。

同監査報告書によるとサークル社が米銀行にて現金で保有している金額は1月31日時点で86億ドルで、これは同社準備金のおよそ20%に相当する。それ以外の336億ドルはBNYメロンによって管理されており、マネーマーケット・ファンドとして登録されているCircle Reserve Fundを通じて米ブラックロック社が運用する米国債として運用されている。

暗号資産取引プラットフォームCoinRoutesの共同創業者兼CEOであるDave Weisberger氏はコインテレグラフの取材に対し「新興企業だけでなく大手も含めかなり多くのテック企業がシリコンバレー銀行と深い関わりを持っている。もし政府が何らかの救済策を講じなければ、これらの企業は従業員への給与支払いに苦しみ、レイオフや、場合によっては失業率の上昇も予想される」と語った。

これに先立って情報筋がコインテレグラフに語ったところによると、米当局は暗号資産関連企業にサービスを提供する銀行に対する規制の取り締まりを検討していたという。