福州市馬尾区人民検察院は、知人に対して合計9万4988元(約190万円)のテザー(USDT)を購入したとして、「犯罪隠匿の罪」である個人が有罪判決を受けた。

この人物は「チェン氏」として明らかにされていないが、地元報道によると、2022年2月頃に知人のリン氏から連絡を受けたチェン氏は、ソーシャルメディアアプリ「ウィーチャット」に自身の銀行カードの詳細をグループチャットで投稿した。その後、チェン氏はリン氏から7回にわたる現金の元送金を受け取り、これを用いてUSDTを購入した。そして、そのステーブルコインはリン氏に送り返された。この過程で、チェン氏は合計147.1元(約2万1000円)の手数料を得た。

人民検察院はこの件について、「詐欺師たちは仮想通貨を使って盗んだ金を移転・洗浄している。仮想通貨の購入という名目でのオンラインマネーロンダリング、他人が情報ネットワークを使って犯罪を犯すことを知りながら、それに援助を提供する行為は法に違反している」と語った。

その結果、人民検察院はチェン氏に対し、9ヶ月の懲役(執行猶予1年)と5000元(約10万円)の罰金を科した。

今年初めから、中国当局は国内の仮想通貨活動に対する厳しい取り締まりを行っている。先週、ネットワークセキュリティ局の政治委員である孫勁峰氏は、ブロックチェーンやAIなどの技術が「詐欺やデータ盗難」に関連する一連の事件に関係していると述べた。

しかし、この取り締まりは犯罪抑止に特化したものではなく、幅広い範囲で行われているようだ。7月には、マルチチェーンプロトコルのCEOが中国警察に逮捕され、マルチチェーンは閉鎖を余儀なくされた。その後、ユーザーのブリッジ資産やチームの資金が、何者かによってプライバシーコインやステーブルコインに交換され、プロトコルから流出している。なぜそうなったのかについての説明は一切提供されていない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン