違法なギャンブルやカジノによって中国から年間1兆元(約15兆円)の資金流出をもたらしていると、中国公安部国際合作局のリョウ・ジンロン(廖進荣)局長が語っている。さらに、海外のギャンブルプラットフォームやカジノの運営者がデジタル通貨を使用してギャンブラーから資金を集めているため、当局にとってはこれらの活動の調査をさらに困難にしていると、リョウ氏は語っている。サウスチャイナモーニングポストが25日に報じた。
北京でのイベントで、リョウ氏はそのような大量の違法な流出が中国の経済的安全保障を侵食していると指摘する。同氏は、仮想通貨(暗号資産)ベースにしたギャンブルを展開している「ギャング」が、「外国の勢力」と共謀することになれば、経済安全保障上のリスクをもたらすことになると付け加えた。
リョウ氏はさらに、決済サービスプロバイダー、第三者機関、電子商取引プラットフォームによる不審な取引の監督が不十分なことが、中国からそのような前例のない資金流出の原因であると述べている。リョウ氏は、決済業界の実務家と犯罪組織の間で協力関係があるため、海外の賭博プラットフォームやカジノへの資金の流れを追跡することが困難であると説明している。
リョウ氏は、政府が既に非金融機関での支払口座開設のコストを引き上げ、異常な取引を特定するためのより効果的な方法を使用し、口座名義人が本名を使用することを義務付けていると述べた。リョウ氏によると、これらの措置は、中国が海外の違法な賭博プラットオームやカジノへの資金の流れを抑制するのにつながったという。
この声明の1ヶ月前には、中国の為替規制当局である外貨国家管理局が「地下銀行」や国境を越えたギャンブルなどの犯罪を抑制するためにより厳格な監督政策に取り組む計画を発表している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン