米国司法省は、二重スパイの米国政府職員をビットコインで買収しようとしたとされる中国の諜報員2人の起訴を発表した。
米司法省によると24日、Guochun He氏とZheng Wang氏の諜報員二人が中国のグローバル通信会社に関する犯罪捜査を妨害しようとしたという。二人は、米国政府職員にビットコインを使って約6万1000ドルの賄賂を支払ったとされる。しかし、この米国職員は連邦捜査局で働く二重スパイで、中国諜報員の指示通りには動かなかった。
仮想通貨リスク管理会社エリプティックの分析によると、HeとWangの両氏はWasabi Walletを使用して、賄賂に使われたとされるBTCトランザクションを隠蔽していた。同社は、2020年7月のTwitterハッキングと2016年の仮想通貨取引所ビットフィネックスと2020年のクーコインへの攻撃からBTCを洗浄する試みで、プライバシーウォレットが以前に使用されていたと報告した。
「検閲への耐性、偽名性、国境を越えて転送できる容易さなど、犯罪者にとって魅力的なデジタル資産の特性は、秘密作戦に資金を提供しようとするすべての情報機関にとって貴重なツールにもる」とエリプティックは指摘した。

エリプティックは「中国のグローバル通信会社」はファーウェイではないかと推測している。
司法省によると、中国の諜報員2人は2019年、二重スパイの米国職員に対して、企業の捜査に関わる機密情報を盗むよう指示し、この計画を始めたという。秘密文書の提供と情報公開の報酬として、それぞれ4万1000ドル、2万ドルのBTCを諜報員に個別に賄賂を渡したとされる。