中国最大の通信事業者である中国電信(チャイナテレコム)でブロックチェーン事業開発責任者を務める梁偉(ジアン・ウェイ氏)は、5Gとブロックチェーンの統合に大きな可能性があると主張している。

2019年のチャイナテレコムの見積もりによると、中国の5Gサービスの加入者は2020年末までに約1億7000万人になると予想されている。

中国の証券日報のインタビューの中で、ウェイ氏は5G開発においてブロックチェーンが信頼できる管理、安全な対話、複数の企業間の効率的なコラボレーションにおいて重要な役割を果たすと語っている。

5Gをよりシームレスで便利に

ウェイ氏は、ブロックチェーンが5Gインフラをクラウドソーシングするのに役立つと考えている。またブロックチェーンが5Gリソースの共有や使用状況の追跡を実現するのにも貢献すると指摘している。

チャイナテレコムはまた、国際ローミングサービスを改善するためにブロックチェーンを使った実験も行っているという。ウェイ氏は、ブロックチェーンによって、第三者の必要性を排除する方法になると述べている。同氏によれば、これにより関連サービスがよりシームレスで便利になる可能性があると語っている。

ブロックチェーン・5G統合にはまだハードル

「ブロックチェーンと5Gの効率的な統合を目にする前に、ブロックチェーン技術で対処しなければならない複数の問題がある」と、ウェイ氏は指摘している。

「これらのうち、スマートコントラクトの合法性とセキュリティの側面が大きな懸念事項だ」と述べている。

「さらに設計の観点からは、スマートコントラクトを修復またはアップグレードすることができない。したがって、5Gスマートコントラクトは、バグの修正や更新のための標準化されたソリューションを策定する必要がある」

さらに、スケーラビリティと相互運用性は、これらの2つのテクノロジーの統合を妨げるハードルの1つだという。

グローバルな組織による適切な協力と実証により、この2つの技術を統合させ、世界中により優れた通信サービスを提供できるようになると、ウェイ氏は述べている。

チャイナテレコムは昨年8月にブロックチェーンスマホのホワイトペーパーを公開。5G環境下のもとで、スマートコントラクトによる契約の自動化や効率的なデータ管理ができるとしている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン