【独占】「2018年は仮想通貨にとって"初恋"も”熱愛”には至らなかった」=チェイナリシスのチーフ・エコノミスト

ブロックチェーンのコンプライアンスや調査等に注力する分析会社米チェーンアナリシスのチーフエコノミストを務めるフィリップ・グラッドウェル氏は来年の仮想通貨業界について「規制がよりクリアになるはずだ。積極的に仮想通貨を受け入れる規制当局も出てくるだろう」と、コインテレグラフ日本版の取材に答えた。

コインテレグラフ日本版は年末企画の一環として、2018年の振り返りと来年予測に関する調査を実施。ブロックチェーンのコンプライアンスや調査等に注力する分析会社米チェーンアナリシスのチーフエコノミストを務めるフィリップ・グラッドウェル氏にもメールインタビューを行った。

「2018年は仮想通貨にとってどんな1年であったか」との質問に対し、同氏は、

2018年は仮想通貨にとって「初恋」のようなものだった。すぐ恋に落ち、素早く「仮想通貨をウォレットにいれる」という最初のチェックポイントに至った。だが業界はまだこの「熱愛」をうけいれる準備ができておらず、残念ながら詐欺師が台頭した。今人々はこの経験から学び次どううまくやるべきか理解した。そして規制が敷かれ、人材が集まり、戦略が作られ、コードが書かれていっている。」

と答えた。今年は取引所のみならず様々なところでハッキング等による資金の流出事件が多く見られた事を指していると思われるが、同氏が指摘するようにこの苦い経験が今後活かされていくに違いない。

来年の仮想通貨業界の注目ポイント

「2019年の仮想通貨業界の注目ポイントは?どんな年になるか?」との問いに対しては、

「2019年は仮想通貨に関する規制がよりクリアになるだろう。各国の規制当局は仮想通貨についてよく調べており、関心を持ち始めている。ますます複雑化しつつある金融システムを管理する方法として仮想通貨を積極的に受けいれようとする規制当局も出てくるだろう。仮想通貨は透明性が高く、ソフトウェアを使えばリアルタイムにコンプライアンスだけでなくマクロ的な経済の安定性をモニタリングすることができるからだ。これは法定通貨のシステムとは対照的だ。規制当局は現状過去に起きた資金洗浄事件や経済危機の対応に追われ予防的な動きがしにくいからだ。」、「もちろん仮想通貨の世界は動きが早く、これら以外のトレンドも出てくるだろう。仮想通貨デリバティブ、e-スポーツ(ゲーム)、セカンドレイヤーを使った超少額決済等。ただ2018年がそうだったように、2019年の終わりに何が起こっているか予測するのはとても難しいだろう。」

と回答。同氏は各国規制当局が今後積極的に仮想通貨を受け入れる可能性についても言及。仮想通貨のトランザクションをリアルタイム追える仮想通貨の透明性やメリットなどが、規制当局側が受け入れていく理由になると語っている。

また、同氏は来年の注目ポイントについて他にも

2019年はステーブルコインが盛り上がる年になるかもしれない。2018年はテザーが仮想通貨トレーディングにおいて重要な役割を果たしたが、規制当局の監督を受けた新たなステーブルコインが複数出てきた。これにより人々が米国や日本で銀行口座をもつことなく仮想通貨版ドルや円を保有することを可能にし、金融をさらにグローバル化するかもしれない。」

と語り、今後のステーブルコインの可能性についても言及していた。

国内においても先日コインテレグラフ日本版のインタビューにおいて、DMM.bitcoinの田口社長がステーブルトークンについて言及し「資金移動業といった必要なライセンスを取得した上で、自らがトークン発行者となり、電子マネーを流通させる可能性もあり得る選択肢だ」と語っている。