内国歳入庁(IRS)は9月30日、追跡不可能とされている匿名通貨モネロ(XMR)と仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のライトニングネットワーク上のトランザクションの追跡者として、ブロックチェーン分析企業のチェイナリシスとインテグラFECを指名したことを明らかにした。

IRSは今回の報奨金として62万5000ドル(約6500万円)を提示している

IRSの担当者はコインテレグラフに対し、今回の提案は22社から出され、そのうち、チェイナリシスとインテグラFECの2社を選定したという。特に決定要因として「比較分析が使われた」ことをあげた。

チェイナリシスは仮想通貨分析の大手企業だ。すでに多くの政府機関との契約を獲得している。一方のインテグラFECは、米証券取引委員会(SEC)と「そのほかの科学的・技術的コンサルティングサービス」契約を数百万ドルで結んでいるものの、あまり聞きなれない企業だ。

コインテレグラフはインテグラFECにコメントを求めたが、記事執筆時点では回答はない。チェイナリシスは匿名通貨に関する業務への質問には通常、コメントを拒否している。

既報の通り、選定企業には頭金として50万ドルが支払われ、8ヶ月かけて、プロトタイプに磨きをかけ、ワーキングコンセプトを作り上げる。パイロット実験が完了して政府の承認が得られれば、さらに12万5000ドルの助成金が授与される。

今回の取り組みの主な目的を、IRS犯罪捜査局(CI)の特別捜査官がウォレットや取引日時、送金額といったトランザクションを追跡できるようにすることだと定義している。CIが外部の業者に頼らずにすむようにするために、最終的な製品はCIがさらに開発したり修正したりできるよう、CIに完全なコントロールを提供するものでなければならない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン