ブロックチェーン分析企業チェイナリシスは、サイバー犯罪調査企業Exygentを買収した。買収額は非公開。これによりランサムウェア対策への支援を強化する狙いのようだ。

チェイナリシスのマイケル・グロナガーCEOは5日の発表で、同社がExcygentと協力し、これまでダークネットのマーケットプレイス「シルクロード」関連の仮想通貨押収やテロ資金関連の調査などで協力してきたと述べている。グロナガー氏によると、Excygentのスタッフは、サイバー犯罪で使用される仮想通貨の調査をサポートするため、チェイナリシスの特別調査チームに参画する予定だという。

「ブロックチェーンでのランサムウェア支払の流れを追跡することは、法執行機関がランサムウェアの動きを理解し、それを解体するのに貢献する」とグロナガー氏はコインテレグラフに語った。「逆説的だが、悪意のある人間が犯罪を犯した際に仮想通貨を使った場合、調査する人間にとってそれは有益な場合がある」。

グロナガー氏は、パンデミック時に病院を標的として、2500万ドル以上の身代金を集めたランサムウェア「NetWalker」の調査でのチェイナリシスが貢献したことを挙げている。また米財務省からマネーロンダリングに関係しているとして制裁を受けた、仮想通貨OTC(店頭取引)を手掛けるSuexの調査でもチェイナリシスは貢献していたという。

「仮想通貨は透明性があり、適切なツールと能力があれば、悪意のある人物を排除し、より安全な金融エコシステムを構築できる」と、グロナガー氏は主張している。

チェイナリシスは、米国政府や民間企業からの需要を受け、大きく成長している。今年6月、同社は1億ドルの資金調達を実施し、その際に42億ドルの企業評価を受けている。