テザーの最高技術責任者(CTO)であるパオロ・アルドイノ氏は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発が活発化しているが、これがプライベートなステーブルコインの役割に影響を与えることはないと考えている。

アルドイノ氏はツイッターでCBDCに関する議論の高まりと、現在の決済システムでのCBDCの役割についての考えを示した。同氏は、CBDCが古くからある決済ネットワークであるSWIFTに取って代わり、トランザクションを実行するためにプライベートブロックチェーンを使用するだろうと述べている。

彼はさらに現在のほとんどの取引がデジタルであることを考えると、CBDCは既に行われているように法定通貨をデジタル化することではないと説明している。同氏によれば、CBDCの狙いは、プライベートブロックチェーンをコスト管理された技術インフラとして使うことだという。このインフラでは、銀行振込やクレジット/デビットカード取引のほとんどがCBDCを介して決済される。

テザーのCTOは、USDTなどのプライベートステーブルコインはCBDCが登場してもユースケースはあると主張する。ユーザーがチェーン間で送金するためのオプションを提供し、選択した複数のブロックチェーン間で利用できると述べる。

アルドイノ氏の投稿は、CBDCの登場がプライベートステーブルコインの役割を奪うことになるかどうかの議論に応えるものだ。

アトランティック・カウンシルによれば、現在86ヵ国がソブリンデジタル通貨の開発を進めている。このうち9ヵ国でCBDCの運用が始まっており、15ヵ国がパイロットフェーズにある。

World CBDC Development Tracker Source: Atlantic Council