アーク・インベストのキャシー・ウッド氏は、ビットコインの長期価格予測を30万ドル引き下げた。理由として、ステーブルコインが新興国市場で価値保存手段としてのビットコインの役割を侵食していると警鐘を鳴らした。
「ステーブルコインは、当初ビットコインが担うと考えていた役割の一部を奪っている」とウッド氏は述べた。ウッド氏は以前、2030年までにビットコイン価格が150万ドルに達すると予測していたが、「ステーブルコインが新興国市場でビットコインの代替的役割を果たしていることを踏まえれば、強気シナリオから30万ドルは差し引くべきだろう」とCNBCのインタビューで語った。
「ステーブルコインは、誰も予想しなかったほどのスピードで拡大している」とも述べた。
ウッド氏は価格予測を下方修正しながらも、依然としてビットコイン（BTC）に強気の姿勢を示している。「ビットコインはグローバルな金融システムであり、金と同様の価値保存資産として機能している。一方で、ステーブルコインはブロックチェーン上にトークン化された現金にすぎない」と述べた。
新興国経済、ステーブルコインを選好
スタンダードチャータード銀行によると、米ドル連動型のステーブルコインは2028年までに新興国の既存銀行システムから1兆ドル超の資金を吸い上げる可能性がある。
例えばベネズエラやアルゼンチンなど、ハイパーインフレーション、制裁、資本規制といった問題を抱える国々では、住民が購買力を守るため、米ドルなどの代替法定通貨で貯蓄する動きが広がっている。
国際通貨基金（IMF）のデータによると、2025年のベネズエラ・ボリバルの年間インフレ率は269％に達しており、数百万人の国民がテザー社の米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」を貯蓄手段として採用している。
ベネズエラでは厳しい為替管理と二重為替制度が存在し、現金ドルや銀行預金の代替としてステーブルコインが信頼できる手段となっている。
2024年には、同国政府が米国の制裁を回避し、国際的な石油取引を行うためにステーブルコインを利用していたとの報道もあった。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント！【PR】
