先月末はCOMPを筆頭にDeFiブームに仮想通貨市場は沸いた。
今月に入ってから好調なのがステーキング銘柄だ。とりわけカルダノ(ADA)は過去3カ月間で驚異の270%のプラス。2020年第2四半期(4−6月期)がビットコイン(BTC)42.5%、イーサ(ETH)69.3%のプラスだったため、カルダノの上昇率は圧倒的だ。
背景にあるのは、カルダノの大型アップグレードであるシェリー(Shelley)への期待だ。先日はテストネットがローンチされ、7月29日にハードフォークを通じてシェリーが実装される予定だ。カルダノのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)プロトコルの誕生となる。
最初のステーキング報酬は8月18日に分配される。
ブロックチェーン分析企業メサーリのライアン・セルキス氏は、他のステーキングと比較して、カルダノにはまだ上昇余地があるとみている。
(出典:Coin360 「カルダノ/米ドル(1ヵ月)」)
カルダノにさらなる上昇余地?
セルキス氏は、シェリー立ち上げ後もカルダノには上昇圧力がかかるかもしれないと予想。最初のステーキング率はローンチまで明らかにならないものの、カルダノのテストネットではステーキング率が最大40%だったことが見込めると指摘。既にステーキングで成功しているテゾスの80%やコスモスの71%を大きく下回るため、逆にカルダノには成長余地があると述べた。
「低いステーキング率と高い報酬はしばしば連動する。このため、新たなユーザーを呼び込みやすく、ADAがもっと買われてステークされることになる」
また、セルキス氏は、世界の大手仮想通貨取引所であるコインベースやバイナンス、クラーケンでテゾスのステーキングが可能になったとき、テゾスが急騰したと指摘。今後の展開次第でカルダノのステーキングのサポートが広まれば、さらなる上昇余地が見込めると分析した。
さらに、ステーキング銘柄は正式なローンチの日にかけて上昇する傾向があると指摘した。
(出典:Messari 「ステーキング銘柄とローンチ日」)
今月末はイーサリアム5周年が控えている。イーサリアム基盤のDeFiがブームに沸く中、かつて「イーサリアムキラー」と呼ばれたカルダノが、ステーキングで巻き返しを図っている。