カルダノは13日、アロンゾ・ハードフォークが無事に実行されたことを発表した。ハードフォークによってパブリックブロックチェーンでスマートコントラクトの作成と実行が可能になった。

カルダノは今回のアップグレードは「プロジェクトの初期段階」であり同日に公開されたブログ記事で「ミッションは始まったばかりだ」と述べた。

「これは私たち、つまりコミュニティ全体が、長い間取り組んできたビジョンを実現するために、ミッションが真に始まったことを意味する。経済的なアイデンティティーと機会をすべての人、すべての場所に広げる分散型システムを構築する」

アロンゾ・ハードフォークでは、プルタス(Plutus)スクリプトを使ってカルダノ用のスマートコントラクトを書くことができる。チームによると、プルタススクリプトとは、「関数型プログラミング言語Haskellを使用した、専用のスマートコントラクト開発言語および実行プラットフォーム」という。

しかし、チームはコミュニティに対し、アロンゾに対し、過度な期待を持たないように呼びかけている。

「今回のアップグレードには大きな期待が寄せられているが、いくつかは不合理なこともある。カルダノのウォッチャーは、アップグレード後すぐに消費者が利用できるDAppsの洗練されたエコシステムを期待しているかもしれない。期待値を管理する必要があるだろう」

カルダノは、イーサリアムの共同創業者であるチャールズ・ホスキンソン氏が設立し、彼のリサーチファームであるIOHKが開発したパブリック・ブロックチェーンだ。

カルダノは、分散型金融(DeFi)やWeb3アプリケーションのホスティングでイーサリアムの優位性に対抗するために生まれたが、2017年9月のローンチ後、これまでスマートコントラクト機能を提供できなかったことで批判を集めていた。

ライバルプラットフォームである「Internet Computer」の創設者ドミニク・ウィリアムズ氏は、プロトコルがスマートコントラクトを立ち上げるのに時間がかかっているとして、カルダノを次のように批判した。

「チェーンがすでに2年間市場に出ているのに、スマートコントラクトのサポートを追加しただけだ。人々がこの進捗に満足していることに驚きを隠せないね」

カルダノは、9月上旬にテストネットで最初に起動したDAppが、同時トランザクション処理の失敗に関する問題に遭遇したことでも非難を浴びた。

イーサリアム支持者であるアンソニー・ササノ氏は「真面目な話、6年間の "査読付き "研究と900億ドル以上の時価総額を経て、カルダノ上の最初のDAppは同時トランザクション処理(別名、DeFiに必要なもの)さえできていない」と非難した。

賛否両論あるものの、カルダノのアップグレードに対する誇大広告は最近、ネイティブトークンであるADAを記録的な高値に押し上げた。コインゲッコーによると、ADAは7月下旬の安値1.06ドルから9月3日の3.10ドルまで192%の上昇を見せている。年初からは1,600%以上の上昇だ。

しかし、ADAはその後急落し、この1週間はおよそ2.30ドルから2.80ドルの間で揺れ動いている。多くの投機家が噂で買い、ニュースを売った可能性がある。