カナダの仮想通貨取引所カタリックス(Catalyx)は、「セキュリティ侵害」の発見を受けて、プラットフォーム上の取引を一時停止し、出金を停止した。このセキュリティ侵害は従業員が関与している可能性があるという。
カタリックスは12月28日の声明で、「管理部門は、従業員が関与した可能性のあるこのセキュリティ侵害により、会社が顧客に代わって保有していた暗号資産の一部が失われた恐れがある」と述べた。
カタリックスは、セキュリティ侵害によって失われた暗号資産の額については明らかにしていない。
この損失により、プラットフォームからの仮想通貨と法定通貨の出金、およびプラットフォーム上のすべての取引が一時的に停止された。12月21日、カナダのアルバータ州証券委員会はプラットフォームに対してすべての取引活動を停止するよう命じ、セキュリティ侵害に関連して取引所の調査を開始した。
カタリックスは、損失の調査を行っており、事件の解明に向けてコンサルティング会社のデロイトに協力を依頼したとしている。
カタリックスの公式ウェブサイトには現在、「技術的な問題」が発生していることを知らせる警告バナーが表示されており、通常の機能が回復した際にはユーザーに通知するとしている。

カナダ・カルガリーに拠点を置くこの取引所は、現CEOのジェイ・ホ・リー氏によって2018年に設立された。カタリックスはカナダの金融取引報告分析センター(FINTRAC)に登録されている。
2021年5月の強気市場の中で、取引所は月間取引量が2800万ドルに達し、当時月次で73%の増加を記録したとされる。
現在の公開データでは、同取引所の準備金や取引量に関する情報は仮想通貨データアグリゲーターに表示されていない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン