中国の仮想通貨マイニングマシン大手のカナン・クリエイティブの株価が12日に80%以上上昇したことが確認された。仮想通貨メディアのザ・ブロックが報じた

カナンはナスダックに上場している。カナン株は8.04ドルで終値を迎え、82.73%上昇した。ヤフーファイナンスのデータによると、始値は4.42ドルで、8.69ドルの高値をつけた。

これまでの1日当たりの平均取引量が25万株だったのに対して、12日は1100万株以上が取引された。

カナンは昨年11月にナスダックに上場。IPO(新規株式公開)を実施し、9000万ドルを調達した。IPO当日は最大で13ドルをつけたが、大きく下落していた。

一方でザ・ブロックのアナリスト、マシュー・ヤマモト氏はカナン株は中国市場と比較して実際の株価のパフォーマンスが低いことを指摘。

マイナーは今年5月に迎える半減期に向けて、古いマイニング装置を使い切ろうとしており、カナンやビットメイン、マイクロBTなどが生産した高いハッシュレートと優れたエネルギー効率を備えた機器の需要が高まっている。

最近のビットコイン価格の上昇はマイナーたちが新しくマイニング機器を購入するインセンティブを与える可能性もある。ヤマモト氏は以下のように指摘した。

「マイニング機器の価格はビットコインの価格変動に基づいて動的に変化する。ビットコインの価格が上昇すると、機器がより高い価格になるため、カナンにとって強気のシグナルになる」


マイニングファームの株価も上昇も、不安要因残る

一方でマイニングファームの株価も上昇している。

Hut8やビットファームス、アルゴブロックチェーンは年初からそれぞれ76%、90%、28%上昇した。

一方でマイナス要因もある。新型肺炎のコロナウィルスだ。

コロナウィルスは中国を拠点とするマイニング機器製造メーカーに影響を与え、機器の出荷が遅れている。納品が遅れれば、カナンの四半期収益も急落する可能性がある。

実際にハッシュレート世界トップ3の大手マイナーBTC.topが今月、強制的にマイニングファームの業務が停止させられたことを明らかにしている。

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