米上場企業BTCSは、イーサリアム(ETH)の購入とブロックチェーンインフラ事業の拡大を目的に、投資会社ATWパートナーズ主導による5700万ドルの資金調達契約を締結した。
メリーランド州ロックビルに本社を置く同社は5月14日にこの契約を発表。これにより、バリデータノードの運用を強化し、ETHステーキングによる継続的な収益構築を目指す。
BTCSのチャールズ・アレンCEOは、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)が行ったビットコイン(BTC)蓄積戦略に倣うものだとし、イーサリアムを長期成長の中核資産と位置づけていると語った。
「我々は、イーサリアムの保有を拡大し、ステーキングとブロック生成事業を通じて継続的な収益を確保するため、戦略的かつ規律ある計画を実行している」
まず780万ドルの転換社債を発行
契約の一環として、BTCSはまず780万ドル分の転換社債を発行。双方合意のもと、さらに最大5000万ドルの追加調達が可能となる。
転換社債の株式転換価格は1株5.85ドルに固定されており、これは5月13日時点の同社株価1.99ドルの約3倍にあたる。満期は2年間で、年6%の利息が付く。
つまり、投資家はBTCS株が今後上昇することに賭けている形となり、一方のBTCS側は、イーサリアム関連事業の拡大に必要な資金を確保できる。
また投資家には、今後5年間にわたって1株2.75ドルで190万株を購入できる権利も付与された。この価格は現在の株価より高いが、転換価格よりは低く設定されている。
今回の調達発表は、同社が分散型レンディングプロトコル「アーベ(Aave)」を活用してETH取得資金を調達したことに続くものだ。ただし、Aaveを通じて実際にどれだけのETHを取得したかについては、今回の発表では明らかにされていない。
ペクトラアップグレードでETHは42%上昇
今回のETH購入方針は、仮想通貨市場におけるイーサリアムの急騰を受けたものでもある。
ペクトラアップグレードの完了を受けて、5月12日にはETHの時価総額が42%上昇。コカ・コーラやアリババの時価総額を上回り、世界の資産ランキングで39位に浮上した。