サイバーセキュリティ企業シマンテック(Symantec)が公開した新しい調査によると、3月以降の仮想通貨(暗号資産)高騰に伴い、クリプトジャッキング攻撃が増加している。クリプトジャッキングとは、マルウェアに感染させるなどして、ユーザーに無断で仮想通貨マイニングさせるものだ。

シマンテックによれば、2020年第2四半期にブラウザベースのクリプトジャッキングが前四半期比で163%増加した。マイニングスクリプトメーカーであるコインハイブ(CoinHive)の閉鎖により、クリプトジャッキングは2019年3月から急減していた。

シマンテックは2020年第2四半期の増加が、ビットコイン(BTC)やモネロ(XMR)の価格高騰と一致していると指摘している。この2つの仮想通貨は、ブラウザベースの仮想通貨マルウェアを使う攻撃者によってマイニングされることが多い。

クリプトジャッキングは2017年9月から2019年3月までの間に活発に行われており、当時最も一般的なサイバー攻撃の1つだった。しかし、2019年3月にコインハイブがサービス提供を終了した。コインハイブの開発者は、サービス終了の原因の1つは、モネロのハードフォーク後にハッシュレートが50%以上低下したことを挙げていた。

8月1日のコインテレグラフとのインタビューの中で、ブラックベリー(BlackBerry)の調査・インテリジェンス担当バイスプレジデントのジョシュ・レモス氏は、仮想通貨マイナーは洗練されている必要はなく、様々な方法で攻撃が行われていると指摘している。

しかし、最近のZDNetのレポートでは、現在の攻撃の増加傾向が持続する可能性が低いことを示唆している。「過去にクリプトジャッキングを試みたサイバー犯罪グループは、ブラウザベースの仮想通貨マイニングは時間の浪費であり、ノイジーであり、利益よりもオペレーションの方に手間がかかるとみている」と指摘している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン