アルゴリズムステーブルコインであるテラUSD(UST)のデペッグと、テラ(LUNA)トークンの暴落を受け、Terraform Labsの共同創設者であるド・クウォン氏は、テラエコシステムを維持するための提案を行った。

テラのリサーチフォーラムでの投稿の中で、ド氏は「テラコミュニティはコミュニティと開発者のエコシステムを維持するためにチェーンを再構成する必要がある」と述べている。同氏の提案は、テラのチェーンをフォークする可能性について議論しているバリデーターグループに応えたもので、今週の価格暴落の間で売却できなかった、もしくは売却したくないUSTとLUNAの保有者を補償することを含んでいる。

ド氏は、バリデータがネットワークの所有権を10億トークンにリセットし、LUNAとUSTの保有者に分配するとともに、将来の開発資金としてコミュニティプールを設けることを提案した。具体的には、新たに配布されるトークンの40%はデペッグイベント前にアセットを保有していたLUNA保有者に、40%は新しいネットワークのアップグレード時に日割り計算でUST保有者に、10%はチェーン停止直前のLUNA保有者に、残りの10%は開発プールに割り当てられる。

USTが米ドルにリペッグされるかついて、ド氏は今週のテラエコシステム全体における大量の流動性イベントを考えると、違いはないだろうと述べた。つまり、ステーブルコインモデルに対する信頼は永久に損なわれてしまった。

「最後の限界の買い手と売り手が降伏した後、最終的にペッグが回復したとしても、LUNAの保有者はあまりにも厳しく清算され、希薄されたため、灰の中から再び立ち直るための生態系を欠いている」と、ド氏は書いている。

コインマーケットキャップによると、4月はじめの最盛期にはLUNAの時価総額は410億ドルを超えていた。USTは、190億ドルでピークに達していた。ドルとのペッグを失った後、USTは13日に0.13ドルにまで下落した。

ブロックチェーンの価値を完全に回復する方法はないが、再分配計画でネットワークの債務者と「忠実なコミュニティメンバーと開発者」を補償しなければならないとド氏は述べている。

LUNA's price chart . Source: CoinMarketCap

 

ド氏の提案は、USTのドルペッグを救うために、特別引出権プールを増やし、プロトコルのミント能力を拡大するという計画を発表したおよそ2日後に出された。この計画は、LUNAの価格が急落し続けたためコミュニティの支持を得ることができなかった。