日本銀行は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対してはマイナス金利機能を導入することはないと述べている。

日銀の内田眞一理事が13日の講演の中で語っている

「学界等でマイナス金利実現の観点からCBDCの付利機能を使うというアイデアが語られることがありますが、こうした観点でCBDCを導入することはありません」

日本は数十年にわたるデフレと戦うため、2016年にマイナス金利政策を導入している。マイナス金利は中央銀行が借入や支出を促すことで経済を刺激するための最終手段であり、利子は貸し手ではなく借り手に支払われることになる。

内田氏は13日の講演の中で、CBDCの概念実証を進めるフェーズ1が予定通りに完了し、4月からフェーズ2に移行すると語っている。フェーズ2ではCBDCの「保有額や取引額に対する制限について検証」したり、「付利機能についても検証する予定」であると語っている。だが、この付利機能の検証はあくまで技術的なものだと述べている。

「現金代替という基本的な役回りや預金との競合を回避することなどを考えると、付利機能を導入する必要性は高くなさそうですが、それでも、制度設計に関する将来の議論に備えて、「できるかどうか」を技術的に確認しておくことは必要です」

内田氏はCBDCにマイナス金利を導入するというい案には国民的合意が得られるとは考えられず、実務的にも現実性がないと指摘している。

日銀の黒田東彦総裁は3月末の講演の中で、CBDCを現時点で発行する計画はないとしつつも、「決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の様々な環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要である」と語っている。​​​