英国本拠のフェファー・キャピタル共同経営者のジョン・フェファー(John Pfeffer)氏は、仮想通貨投資ファンド「イキガイ・アセット・マネジメント」創設者兼CIOのトラビス・クリング氏などとともに、ブレグジット、貿易戦争など地政学における不確実性の観点からビットコイン(BTC)について議論した

ブルームバーグは11月20日、仮想通貨関連イベント「デジタル資産の未来」をロンドンで開催。パネルディスカッションのひとつとして先の投資家らが登壇し、世界的に不安定化した状況こそBTCが魅力的な投資対象となると論じたという。

投資家、ビットコイン(BTC)支持者であるフェファー氏は、仮想通貨の評価算定を機関投資家向けに論じた文書「仮想通貨に対する(機関)投資家の見解」(An (Institutional) Investor’s Take on Cryptoassets)の著者として知られる。

既報の通り、2018年4月に開催された投資家向けイベント「ソーン・インベストメント・カンファレンス」でも登壇。BTCは金に取って代わるか世界の新たな準備通貨になりえるもので、その結果価格は70万ドル(約7600万円)に上昇する可能性があると述べていた。

BTCは、究極的な価値保存の手段といえるか?

フェファー氏によると、BTCはデジタル・ゴールドとしての条件が整っており、「遅かれ早かれ、そうなるだろう」という。BTCが現在のデジタル・ゴールドと見なされた場合、メリットだけではないものの、少なくとも1ケタか2ケタ以上の価値があると指摘したそうだ。また、次のように述べたという。

「我々は、ベンチャー投資ポートフォリオ同様の考え方で、BTCを見ている。(中略)(BTCは)デジタル・ゴールドとなることを目指すベンチャー企業であり、それを実現できそうな大きな可能性を示している。(中略)多くの利点もあるが欠点もあり、実現できていない」

一方クリング氏は、BTCは「世界の政府・中央銀行が無責任な金融・財政政策を実施するほど、ますます魅力的になる」独特な投資性質を備えたリスク資産だと指摘した。

「現在のBTC投資家は、価値保存手段としてのBTCに投資しているわけではない。優れた価値保存手段という特徴を備えているため、そうなるだろうと推測しているだけだ」

さらにクリング氏は、米国は依然金本位制であり、米政府が毎年予算の収支を均衡させていたら、「BTCはそれほど必要ないかもしれない」と指摘した。しかし同時にクリング氏は、「我々は、そんな世界に住んでいない」と述べた。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版