来月3日に行われる米大統領選で、民主党候補のジョー・バイデン前大統領が勝利すれば、仮想通貨ビットコイン(BTC)には追い風だがDeFi(分散型金融)にとっては逆風だという見方をブルムーバーグが最新のニュースレターで掲載した。

ブルームバーグは、トランプ政権の仮想通貨に対するスタンスについて「手を出さない」アプローチであり「仮想通貨市場の広範囲に渡る悪化」につながったとみている。一方でバイデン政権は規制の透明性から仮想通貨をメインストリームでの普及に向けて突き動かし、ビットコイン価格高騰、さらにはビットコインETF(上場投資信託)の承認につながるのではないかと予想した。

トランプ政権下で申請されたビットコインETFはSEC(米証券取引期員会)によって全て拒否された。

昨日、司法省から仮想通貨の取り締まりに向けた枠組みが発表された。ただ市場関係者からは既存の枠組みの横展開を目指すものであり、肝心の仮想通貨の定義などがあいまいなままだったという見方が出ている

トランプ大統領は2019年6月に「ビットコインのファンではない」とツイートした。

バイデン当選はDeFiに逆風

一方、ブルームバーグは、バイデン氏が当選したらDeFiにとって逆風になるとみている。今年始まったDeFiブームだが、規制が行き届いていないことを逆手にとるプロジェクトも多い。ブルームバーグは「民主党の掃除」によってDeFi領域の成長が止まるとみてる。

ただ、ブルームバーグは、どちらが勝利するにしてもビットコインが上昇し続けることは間違いないと主張。次の大統領の就任期間である2020年から2024年の間、ビットコインの価格は、もし2016年から2020年までの上昇ペースが半減したとしても、8万ドルに到達することになると指摘した。

「米国のGDPに対する財政赤字の割合は増加傾向にあり止まりそうにない。量的緩和の拡大と高まり続けるビットコインのハッシュレートによって、ビットコインの価格は次の政権でも上昇し続けそうだ。もし2016年からの上昇率である1600%の半分しか上がらなかったとしても、2024年までに8万ドルに到達することになる」

はっきりとした勝者の確定を

大統領選がもたらす仮想通貨価格へのインパクトについて、トレーダーのBigChedsはコインテレグラフに対して、「もしはっきりと勝者が確定して政権の移行が簡単に行われれば、ビットコインに対するインパクトはないとみている」述べた。対照的に、もし接戦になったら「金(ゴールド)やビットコインなどのリスクオフ資産が反発するはずだ」と予想した。

コロナ禍での大統領選挙ということで郵送による投票が増加することが見込まれているが、本人確認での不正の可能性が懸念されているほか、票数のカウントに時間がかかるとみられている。このため、投票日の11月3日もしくは翌日になっても両陣営が負けを認めずに大統領選の勝者が確定しない可能性がある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン