ブロックチェーンセキュリティ技術企業のブロックセック(BlockSec)は、イーサリアムメインネット上で任意のトランザクション位置やブロック番号からフォークしたプライベートチェーンでの共同テストを可能にする新しいツールキットを発表した。開発者やセキュリティ研究者向けのこのツールキットは「ファルコンフォーク」と名付けられ、4月14日にローンチされた。
We're thrilled to introduce Phalcon Fork, a cutting-edge toolkit for Web3 developers & security researchers! It enables collaborative testing with private mainnet states, creating private chains forked from any mainnet position. #Web3 #DeFi pic.twitter.com/TlK169GeLP
— BlockSec (@BlockSecTeam) April 14, 2023
ファルコンフォークは、テストネットで行われる取引テストや分析、デバッグ作業をより効率的に行えるように設計されている。ブロックセックのユーザーマニュアルによると、イーサリアムメインネットから任意のトランザクション位置やブロック番号を簡単にフォークし、特定のサービスや状態を維持できることで、その効果が実現されるという。
ユーザーマニュアルには、「従来のGoerliなどのソリューションと比較して、ファルコンフォークはメインネットのサービスと状態を維持し、他のDeFi(分散型金融)コントラクトとの迅速な統合やデバッグが容易になる。また、ブロック情報(例:タイムスタンプ、ベースフィー、ミックスダイジェスト)を完全に制御できる」と記されている。
このツールキットを使用すると、スナップショット機能も利用できる。これにより、ユーザーは特定のブロックチェーンの位置を保存し、テストプロセス中にいつでも元に戻すことができる。スナップショットは、ユーザーが特定の時点で実行およびデプロイされるトランザクションを記録する。
マニュアルには、「スナップショット機能は、ユーザーが複数回テストスクリプトを実行したい場合や、一時的に状態を保存して後で戻りたい場合に特に便利である」と説明されている。
ファルコンフォークには統合フォーセットも備えており、ユーザーは無料のフォークネットワークのイーサを取得してプライベートチェーン上で取引を行うことができる。
チェーンと直接やりとりし、取引を実行するために、ファルコンフォークはFork RPCと呼ばれるリモートプロシージャコールノードを提供している。これは、Hardhat、Foundry、Remixなどのイーサリアム仮想マシン互換の開発フレームワークに統合されたり、MetaMaskに追加したりすることができる。
現時点では、ユーザーはイーサリアムメインネットからのみフォークできるが、今後、BNBスマートチェーンやアービトラムなどの追加ブロックチェーンへの対応が示唆されている。
