ココア製品のスタートアップ企業のコア(Koa)が今週、同社のカカオのサプライチェーンの透明性を向上させ、ガーナの農家が適切な収入を得られるようにするためのブロックチェーンベースのプログラムを立ち上げた。

このプログラムは、ドイツのサプライチェーン企業シードトレース(Seedtrace)と南アフリカの通信企業MTNグループ(MTN Group)との提携によるサポートを受けている。コアは、「不祥事とカカオ農家の貧困」をなくすことで「透明性とアカウンタビリティー(説明責任)の向上」を目指すと述べた。

クッキーの「オレオ」や「チップスアホイ」の製造元であるモンデリーズなどの企業は、カカオ農家に支払う賃金が生活賃金を下回っているとして、コートジボワールとガーナのカカオの生産管理を行うコーヒー・カカオ評議会(Conseil du Cafe-Cacao)から非難されていた。コアはブロックチェーンに支払いを公に記録することで、そのような慣行をなくすことができると考えている。

シードトレースはコアのサプライチェーンのインフラにプラットフォームを提供する。プラットフォームは、Toplのブロックチェーンを活用してカカオの生産・流通に関するデータを記録する。農家はそのデータを使い、生産した製品がどこに流通しどのように使用されているかを知ることができる。一方、消費者は食品の原料の生産地を容易に追跡し、労働に見合った適切な賃金が農家に支払われていることを確認できる

コアのマネージングディレクター兼共同創業者のアニアン・シュライバーは16日、菓子業界誌の「キャンディ・インサイダー(Candy Insider)」に対して「長く不透明なサプライチェーンを排除したい」と話した。倫理的な事業運営を約束するだけでは不十分であり、消費者がそれを容易に確認できるようにするべきだという。

「良好な慣行をただ主張するのではなく、私たちはすべてを表に出すことで、農家に対する各取引を消費者が確認できるようにしている」