ニューヨークを拠点とするブロックチェーン分析企業チェイナリシスは4月9日、業務の拡大と調査・分析能力の拡大を目的とした大規模なパートナーシッププログラムを開始すると発表した。詳細な内容は、数週間以内に公開するという。

チェイナリシスは、ブロックチェーンの分析により、仮想通貨の不正取引を追跡することに定評がある。また同社は、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)などに役立つ追跡ツールとして、25種類以上の仮想通貨を監視可能な解析ソフトウェア「チェイナリシスKYT(Know Your Transaction)」などを企業・政府・法的機関に提供している。

同社最高収益責任者ジェイソン・ボンズ氏は、コインテレグラフに対して、新プログラムは特定カテゴリーのパートナーとのコラボレーションを意図していると説明した。

ひとつ目の対象候補は、仮想通貨取引向けインフラを提供する企業だ。これら企業は、チェイナリシスとさまざまな業界が「シンプルな統合により、仮想通貨取引に対する監視の拡大する」ことに役立つという。チェイナリシスは、顧客向けサービスを統合するため、コンプライアンス専門企業との提携を模索している。

またふたつ目は、さまざまな地域の新たなパートナーだという。ボンズ氏によると、パートナーシッププログラムは、「グローバル対象であり、すでに米国・EMEA(EU、中東、アフリカ)・APAC(アジア太平洋地域)にパートナーが存在する」そうだ。

ボンズ氏は、米国内市場の例として米政府組織・州政府組織・教育機関にIT・コンサルティングサービスを提供しているカラソフト(Carahsoft)、またAPACとしてシンガポール拠点のサーバーセキュリティ企業M・テック(M.Tech)の2社をパートナーとして選択したことを挙げた。

3つ目は、データプロバイダーだ。チェイナリシスは、データプロバイダーとの提携による、独自の調査・分析能力を強化・拡大することを目指している。さらにこの中にはランサムウェアの専門家なども含まれており、チェイナリシスによる疑わしい住所の特定を強化するそうだ。

プレスリリースにおいて、M・テックの最高財務責任者レイソン・リムは次のように述べた。

「APAC市場では、法執行機関において仮想通貨調査ツールに対する需要の高まりに気づいている。チェイナリシスのような企業とのパートナーシップにより、これに応えられる」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン