仮想通貨取引所最大手バイナンスの投資部門であるバイナンスラボは14日、同社のインキュベーションプログラムの対象となるブロックチェーンプロジェクトの「第一陣」を発表した。コインテレグラフが同社のプレスリリースを入手した。500件以上の応募プロジェクトを対象に試験ツアーを実施した後、バイナンスラボは、そのうちわずか8件のプロジェクトを選出した。

バイナンスラボは、直接投資と技術支援を通じて、初期段階のブロックチェーンとデジタル資産に関するプロジェクトおよび起業家を支援することを目的としている。バイナンスラボ・インキュベーションプログラムは、18年8月に立ち上げられたオンサイト・プログラムだ。

選ばれた各プロジェクトは、50万ドルのシード投資を受け、必要な資源を利用したりメンターのサポートを受けたりできる権利を得た。10週間にわたるインキュベーションプログラムで、7件のプロジェクトが実際に使用できる製品を出荷し、ユーザーの登録を開始しており、うち3チームはすでに購買客を抱えている。

今回バイナンスラボの支援対象に選ばれた8件のプロジェクトには、ハードウェアウォレットの「SafePal」、分散型アプリ(DApps)のスムーズなログインを実現する「Torus」、インターネットセキュリティのプロジェクト「Nym」、市場予測を行うスタートアップ「Deaux」などが含まれている。

6月に実施されたオンライン掲示板Redditの公開質問セッション「AMA(アスク・ミー・エニシング)」で、バイナンスラボの代表エラ・ジャン氏は、分散化は「ビットコインとブロックチェーンのコアバリュー」であると発言し、バイナンスが分散化を支援するための複数のプロジェクトを立ち上げたことに言及した

10月はじめ、バイナンスラボは分散型デジタルコンテンツ・エコシステムのコンテントス(Contentos)に数百万ドル規模の投資を行った。 コンテントスは、第三者による検閲やコンテンツ除去の可能性を省き、コンテンツの透明性と収益化を提供する分散型エコシステムを開発しているプロジェクトだ。

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