仮想通貨・ブロックチェーンをグローバルで開催するブランド「TOKENSKY(トークンスカイ)」の大規模イベントが7月4日(水)、5日(木)にベルサール汐留(東京都中央区)で開催される。主催者はTokenSky組織委員会とオンラインゲーム開発を手がけるアソビモ(東京・豊島区)。世界中から著名な登壇者が来日し、「ブロックチェーン革命」著者の野口 悠紀雄氏、「アフタービットコイン」著者の中島 真志氏、株式会社gumi 代表取締役社長 國光 宏尚氏、DAppsゲーム「イーサエモン 」マーケティングディレクターのNedrick氏、DAppsゲーム「アクシーインフィニティ」COOのAleksander Leonard Larsen氏、DAppsゲーム専門のブロガーでALISの公式アンバサダーでもあるキヨスイ氏など、業界の有識者や専門家ら130人ほどが登壇し、ブロックチェーンの可能性や問題を議論する。

分散型アプリケーション(DApps)とは
ブロックチェーンを用いた非中央集権的なアプリケーション。通常のアプリと異なり、中央サーバーや第三者の管理を必要としない。
参考:アプリの潮流はブロックチェーン上で動くDAppsの時代へ

今年3月に開催されたTOKENSKY韓国ソウル大会の様子。およそ3500人が来場した。

「日本のブロックチェーン業界の活性化に繋がるイベントに」

 今回、「TOKENSKY TOKYO 2018」を共同開催するアソビモの近藤 克紀代表取締役は、このイベントを通じて、ブロックチェーンの開発者らが開発におけるヒントを得たり、ネットワークを広げたりできれば良いと話す。「英語圏、中国語圏のブロックチェーンイベントに参加したり視察したりする中で感じたことは、ネットワークの濃さによるブロックチェーンテクノロジーの進化の速さだった(近藤氏)」。海外のイベントでは既に多くのブロックチェーンに関するプロダクトができていて、それをプロモーションする段階にある。一方で、日本はまだブロックチェーンをどのように活かしてよいかわかっていないため、情報収集のフェーズにあるという。日本はマーケットとしては世界から注目されているが、プロダクト開発の観点からすると先進的とは言い難い。近藤氏は、日本居住者が海外の仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展速度に触れずにいる現状に危機感を抱いたため、ブロックチェーンに関心のある人がビジネスのヒントを得られるようなグローバルなイベントを日本に誘致し開催しようと考えた。更に「広告の打ちづらい仮想通貨業界では、人との繋がりによるプロモーションが重要。オープニングツアーやカクテルパーティーで人脈作りをしてもらいたい」と話した。

 DAppsゲームのプロジェクトでは、イーサリアムベースのイーサエモンやアクシーインフィニティなどをイベントに呼んでいる。近藤氏は「DAppsゲームのダウンロード数や収益などのリアルな数字を語ってもらおうと思っている。また、DAppsゲームがどういうテクノロジーで動いており、どのような課題に直面していて、それをどう解決していくのか、ということなど話してもらう予定」と述べ、各プロジェクトがプレゼンを終えた後は、プロジェクト同士で対談させ、それらの比較や議論に展開させていくと説明した。

イーサエモンとは
イーサーモンスター(イーサエモン)を、捕獲したり、交換したり、進化させて戦ったりするゲーム。
参考:イーサエモン: 分散型イーサーモンスターワールド

Axie Infinityとは
イーサリアムプラットフォーム上で「アクシー」と呼ばれる空想上の生き物を集めて育てるDAppsゲーム。アクシーはチームを作ってアリーナで戦わせることや、マーケットプレイスで売買・交換することもできる。

 最近多くの人がブロックチェーンはインターネット以来の画期的な発明と発言しているように、近藤氏もその可能性を強調する。「ブロックチェーンには、様々な可能性がある。ゲームで言えば、サーバー費用の大幅な削減やセキュリティの向上、新しいゲームの提供が実現できるため、企業として取り組まない理由はない(近藤氏)」。DAppsゲームは、サーバーが不要なため、ゲームの維持費に関していえば、従来のゲームの100分の1ほどに収まる。これまではユーザーを3000人は確保しないと採算が取れずに終了していたゲームも、たった30人のユーザーでゲームを継続できるようになる。データはクライアント側に保存するためそもそもサーバーがない、だからサーバー落ちもない。また、アイテムの複製やパラメータを改竄してキャラクターを不正に強くするといった被害もかなり防ぐことができる。

 アソビモは今年4月、ブロックチェーンを使ったデジタルコンテンツの保護流通プラットフォーム「ASOBI MARKET(※国際特許出願中)」を発表している。ゲームアイテム、電子書籍や電子音楽などの様々なデジタルコンテンツの二次流通(中古流通)を、ASOBI COINを使って管理するもので、近藤氏は「デジタルコンテンツの中古流通という概念はこれまで存在しませんでしたが、ブロックチェーン技術を用いるからこそ、それが実現できる」と強調する。ブロックチェーンを活用すれば、複製を防ぎ、デジタルコンテンツの所有者を明確にできるため、これまで存在しなかった新たな市場を創出できる。日本のデジタルコンテンツ市場はおよそ8兆4000億円。そこから想定される二次デジタルコンテンツの市場規模は数年で1兆2000億円になるとアソビモは試算している。そして、アソビモは技術のみならず特許戦略も合わせてマーケットにいち早く参入している。

スケジュールと登壇者

 アソビモがTOKENSKYと手を組んだのは、これまでのような日本が中心のイベントではなく、世界のブロックチェーン業界にふれることで日本のブロックチェーンの発展に繋がる、本格的なグローバルイベントにしたかったからだ。日本でのブロックチェーンの普及を目指し、グローバルの考えに触れることで、来場者を刺激するような業界のトップランナーや注目プロジェクトを集めた。

 登壇する日本のプロジェクトと海外との比率は3対7。同時通訳付きで、外国語が苦手な人も楽しめる。ゲーム以外では、業界きっての弁護士である増島雅和氏が、不透明な仮想通貨の法規制について、具体的な事例を交えて説明する予定だ。

 また、両日夜には来場者や登壇者が交流し、お互いのコミュニティが活性化するようにカクテルパーティを準備した。7月4日19時からは、ザ・リッツ・カールトン東京で日中交流ブロックチェーンパーティが、7月5日19時からはTHE GRAND GINZA(GINZA SIX)でグローバルブロックチェーン交流パーティがそれぞれ行われる。

 なお、アソビモは今回特別に「TOKENSKY TOKYO 2018」の無料チケットを先着で限定100枚用意した。本来なら5000円以上するチケットだ。無料で参加するには、下記のフォームに招待コードを入力して応募してもらいたい。売り切れになる場合があるので早めに応募することを勧める。

https://goo.gl/forms/Jy1oMIQhCHMrVqZH2
招待コード:6874138

 会場では、ASOBI COINをはじめ、総額数千万円以上の様々なコインのAirDropを予定している。日本最大規模のブロックチェーンイベントの詳細はこちらを確認されたい。