アプリの潮流はブロックチェーン上で動くdAppsの時代へ

 米アップル社によるApp Storeのリリース以来、アプリは進化しつづけ、現在では「サービスとしてのアプリの時代」の段階にあるといわれる。 しかし、アプリの進化には、次の段階がまっているようだ。

 非中央集権型アプリ、または「dApps(Decentralized Applications )」と呼ばれるものだ。

 dAppsは、イーサリアム(Ethereum)プラットフォームの登場とともに注目をあつめている。実際、イーサリアムの主な目的は、dApp作成のために相互にやり取りできるスマートコントラクトの展開だ。

非中央集権・分散型アプリ「dApps」

 簡単に言えば、dAppは完全に分散されていること以外は、通常のアプリと同じだ。イーサリアム・ネットワークを構成するノードによってホストされ、中央サーバまたは第三者に依存せず動く。dAppは、障害が発生するような中央機関を有せず、ハッキングや政府機関等による検閲を受けることなく、完全に自律的に運営できることが期待されている。

 dAppにアクセスするには、特別なイーサリアム・ブラウザが必要だ。dAppの代表的な例の1つは、中間サーバーを経由せずに、イーサリアム・ネットワークと直接通信する分散型の予測市場であるAugurだ。他に、ミストウォレット(Mist wallet)やメタマスク(MetaMask)もある。

 ミストウォレットは、イーサリアム・ネットワーク上で最も古いアプリケーションの1つだ。これにより、ネットワーク上の分散アプリやウォレット操作が可能になる。

 同アプリでは、ユーザーにイーサリアム・ブロックチェーンをダウンロードさせる必要がある。一方、メタマスクは、ウェブ・ブラウザを簡単にイーサリアム・ブラウザに変換可能な拡張機能を提供する。

 しかし、イーサリアムはまだまだ新しい技術で、非中央集権への道は長い。ブロックチェーンを活用しているプロジェクトは何百もあるが、完全に分散されたアプリケーションはほとんど開発されていない。また、イーサリアムのプロジェクトのほとんどが、依然として集中化されたコンポーネントを使用して製品を提供している。

 たとえば、イーサリアム初のギャンブルdAppの1つは、それぞれのスマートコントラクトアドレスにトランザクションメールを送信するだけで使用でき、それだけですべてのプロセスが処理される。スマートコントラクトが中核となっている一方、ユーザーにアドレスを表示し、フロントエンドを提供するために依然として集中型のWebページを使用している。

 他のプロジェクトでは、イーサリアム・ブロックチェーンを具体的なdAppの配備のためではないではなく、コンポーネントの1つとして活用している。これらのコンポーネントは、取引やインセンティブ層から、株式やその他の価値のあるトークンの発行メカニズムまでさまざまだ。ほとんどの場合、イーサリアムはICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨で広く資金調達する手法)プラットフォームにすぎない。

非中央集権型アプストア

 「部分的」分散型の多くのアプリは、その非中央集権性について、やや誇大広告気味なものが多い。分権化への道のりは、まだ何年もかかるだろう。それまでは、毎日発行されているトークンやアプリ固有のコインで市場は充満しそうだ。

 ほとんどの開発者は、新しいトークンをアプリ内購入、広告、報酬のために活用している結果、dApp間の相互運用性の欠如は避けられない。

 Googleやアップルなどの企業の独占が、開発者やユーザーに経済的な損害を与えているだけでなく、アプリストアの承認基準の不透明性やユーザーの個人情報の無断の収集と売却の問題など付加的な問題もある。

 この問題、及び従来のアプリ業界で見られた固有の問題を解決するため、世界で最も人気のあるアプリストアの1つは、完全な分散化の共通基盤となるアプリとアプリストアの新しいプロトコルを考案している。

 これはGoogleやアップルのような仲介業者から、開発者の仕事に起因する利益の大半を奪う力を取り除くことを目指している。

完全分散型アプリへの道

 このシステムにより、アプリやアプリストアは開発者やユーザーにとってより効率的になる。 また、アプリケーション開発者は、プロトコルを使用するすべてのアプリストアに及ぶ不変評価システムの恩恵を受ける。

 アプリやアプリストア自体が完全に分散されることはないが、この方法は分散型アプリの経済にとって重要な基礎を作る。 最初のステップを踏むと、これらのアプリが100%ハッキングと検閲に耐性があることを保証するための技術的進歩を行うことができる。


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