大手資産運用会社ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」の運用資産が、10万BTCを突破したことが分かった。

2月13日時点の公式データによると、IBITの保有するビットコインは105,280BTCに達している。これは、米国で初めて10万BTCの運用資産を突破したビットコイン現物ETFであり、グレースケール・ビットコイン・トラストETF(GBTC)を除く9つのビットコイン現物ETFの中で最も早い記録達成となった。

ブラックロックは、2024年1月11日に他の10社と共にビットコイン現物ETFを立ち上げて以降、積極的にビットコインを購入してきた。IBITの運用資産は、1月11日の2,621BTCから2月13日には10万BTCまで、3,700%以上増加している。

IBIT以外にも、フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)など、9つのビットコイン現物ETFは立ち上げ以降、積極的に保有量を増やしている。FBTCは2月13日時点で83,925BTCを保有している。

一方、GBTCは立ち上げ以降、ビットコインを積極的に売却している。1月11日に619,220BTCの運用資産で取引を開始したが、2月13日には25%減少し463,475BTCとなった。

IBITの運用資産10万BTC突破は、ビットコイン現物ETF全体で記録的な1日の純流入額を記録したタイミングと重なった。ファーサイド・インベスターズのデータによると、10のビットコイン現物ETFの合計純流入額は6億3130万ドルに達し、そのうち4億9300万ドルがiシェアーズ・ビットコイン・ETFに流入している。

Bitcoin ETF flows in U.S. dollars. Source: Farside Investors

一部の仮想通貨愛好家は、ブラックロックがiシェアーズ・ビットコインETFへの巨額の流入に対応するために、ビットコインの調達に苦労している可能性があると指摘している。

「OTC(店頭)販売業者がブラックロックにビットコインを売り切ってしまった。ブラックロックはコインベースから直接BTCを購入せざるを得なかったのだろう。」と、ある仮想通貨愛好家はXにポストした。

IBITの運用資産10万BTC突破は、ビットコイン価格が2021年11月以来初めて5万1000ドルを突破したタイミングと重なった。2月12日に5万ドルの大台に乗せ、2月14日には時価総額1兆ドルを回復した。

コインゲッコーのデータによると、2月15日現在、ビットコイン価格は5万1383ドルで取引されており、過去30日間で20%以上上昇している。この上昇を受けて、「仮想通貨の恐怖&強欲指数」は、2021年11月中旬にビットコインが史上最高値の6万9000ドルに達した時以来の高水準を記録している。