暗号資産運用会社ビットワイズが、アプトス(APT)の上場投資信託(ETF)の上場を米国で申請した。アプトスは、2022年に元フェイスブックのエンジニア2名が主導して開発したブロックチェーンプロジェクトだ。
ビットワイズは3月5日、アプトスETFの上場を目指し、S-1登録申請を提出した。この申請は、ビットワイズが2月28日にデラウェア州でアプトスETFに関連する信託を登録し、SECへの申請の意向を示していた。
アプトスETFの申請は、証券取引委員会(SEC)の承認待ちとなっているアルトコインETFのリストに新たに加わる形となる。
ビットワイズは、アプトスのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)機能を活用せず、ETFにはステーキング機能を含めないことを決定した。また、コインベース・カストディをカストディアン(資産管理者)として指定しているが、どの証券取引所に上場するかについてはまだ明らかにしていない。
ETFの管理手数料やティッカーシンボルについても、現時点では記載されていない。さらに、SECが申請を正式に受理し、19b-4フォームを提出するまでは240日間の審査期間が開始されない状況にある。
他のアルトコインでもETF申請
今回のアプトスETF申請は、ビットワイズが既存のビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)のETFからさらなる拡大を目指す最新の動きとなる。
ビットワイズはソラナ(SOL)、XRP(XRP)、ドージコイン(DOGE)のETFの申請も行っており、時価総額上位の主要トークンに焦点を当ててきた。しかし、アプトスは時価総額36位(約38億ドル)と、これまでのビットワイズのETF申請銘柄とは異なる性質を持つ。
アプトスは、2021年にモー・シェイク氏とエイブリー・チン氏の2人の元フェイスブックのエンジニアによって設立されたアプトス・ラボが開発したブロックチェーンだ。
同プロジェクトは「ソラナキラー」として2022年10月にローンチされ、高速・低コストのレイヤー1ブロックチェーンとして注目を集めた。しかし、現在の時価総額はソラナの19分の1程度にとどまっている。
コインゲッコーの最新データによると、APTの価格は過去24時間で14.4%上昇し、6.25ドルとなっている。
また、DeFiLlamaのデータによれば、アプトスはブロックチェーンの総ロック資産(TVL)ランキングで11位に位置し、約10億3000万ドルをロックしている。そのうち、8億3000万ドル以上がステーブルコインとなっている。
アプトスブロックチェーン上では、フランクリン・オンチェーン・USガバメント・マネーファンド(FOBXX)といった現実世界資産(RWA)のトークン化も行われている。
ビットワイズは2023年11月には、スイスのSIXスイス証券取引所でアプトス・ステーキングETPをローンチしており、年利4.7%のステーキングリターンを提供している。