仮想通貨交換業者のビットトレードは22日、外国人オーナーの企業へ経営権を譲渡すると発表した。新たに経営に参画する企業の支援を受け、内部管理態勢の充実や仮想通貨関連サービスの拡充を進めるとしている。閏間亮社長ら現経営陣は残留し、引き続き事業を運営する。
チェン・リェ・メン・エリック氏が代表を務めるFXTF ASSET INVESTMENTS PRIVATE LIMITEDが株式の75%を取得する(実質的な親会社であるFXトレード・フィナンシャルは25%の株式保有を維持する)。30日に臨時株主総会を開き、株式の譲渡を決定する予定だ。
プレスリリースによれば、エリック氏は02年に不動産開発を手掛けるSEVENS GROUPをシンガポールに設立し、CEOに就任。SEVENS GROUPは、不動産開発、自動車関連、投資の3つの中核部門に分類された複数の企業で構成されたグループ企業となっているという。
エリック氏はビットトレードの社外取締役に就任するほか、新たに出資もする予定だ。
「エリック氏は、今後、すみやかに当社への出資を行う方針であり、当社は、〔中略〕今後の事業拡大に向けたリスク資本の有力な調達先を確保し、コンプライアンス体制を確立することになります」
ビットトレードは「新体制の下でも、基本的なビジネスの枠組みを変える方針はない」とし、現在提供しているサービスもそのまま継続するとしている。FXトレードの鶴泰治社長と小林彰彦副社長は社外取締役に就任する(従来は顧問)。ビットトレードは今回の経営権の委譲について次のように説明している。
「今回のオーナーチェンジは、加速する仮想通貨市場の成長に遅れることなく、当社が仮想通貨ビジネスで新たな成長フェーズに踏み出す、第一歩であり、安定経営の下で仮想通貨事業を推進していくために必要な背策として決定したものであります」
また「FX事業以上にビジネスリスクが高い仮想通貨ビジネスのリスクに備えたリスク資本の確保が重要」としており、グループ全体のリスク資本を拡充するため、年内に総額3億円相当の資本増強策を実施する計画を明らかにしている。