ビットマインのトム・リー会長が、強気一辺倒で推してきた「年末ビットコイン25万ドル」予想をついに後退させた。最新の発言では、年末に向けて10万ドル超は「非常に有力」としつつ、10月の過去最高値12万5100ドルを再び突破するかについては「たぶん(maybe)」に留めた。
リー氏は水曜、CNBCのインタビューで「ビットコインが年末までに10万ドルを超える可能性は依然として非常に高く、新高値を付ける可能性もたぶんあるだろう」と述べた。
これは、リー氏が2024年初頭に打ち出し、10月初めまで繰り返し強調してきた25万ドル予想を公の場で弱めた初のケースとみられる。
リー氏の予想は業界でも特に強気として知られていた。ギャラクシー・デジタルCEOマイク・ノヴォグラッツ氏などは10月、「ビットコインが25万ドルに到達するには、とんでもない出来事が必要」と慎重姿勢だった。
それでもリー氏は、2025年末までにビットコインが「最良の日々」を迎える可能性を改めて強調した。「今後残り35日で、ビットコインに最高の数日が訪れる可能性はまだ十分ある」。
ビットコインは「10日で勝負が決まる」
リー氏は、ビットコインが毎年わずか数日に大半のリターンを叩き出す性質を持つことを指摘し、「ビットコインは年間たった10日で大きく動く」と説明した。
この考えは広く共有されている。ビットワイズのハンター・ホースリーCEOは2024年2月、「この10日間を逃すと、歴史的にほぼ全リターンを取り逃がす」とXで投稿している。
実際、2024年の「最強の10日間」は合計52%のリターンを生み、残り355日間の平均リターンはマイナス15%だった。
ビットコインは10月10日以降下落基調となり、トランプ大統領が中国製品に100%関税を課すと発表した直後、仮想通貨市場全体で190億ドル規模の清算が起きたことも相場を圧迫した。
その後、先週まで6日連続で9万ドルを下回っていたが、水曜にようやく9万ドルを再び回復した。
一方で、エコノミストのティモシー・ピーターソン氏は月曜、「ビットコインの底はすでに入った可能性があるか、今週付けるだろう」と指摘した。
過去のリー氏の予想は当たり外れが極端
リー氏の予想が的中しないのは今回が初めてではない。
2018年1月、同氏は「2022年にビットコインは12万5000ドルに到達し得る」と予測したが、同年の最高値は1万7172ドルに留まった。
ただし、リー氏には的中した予想もある。
2017年7月、同氏はビットコインがベースケースで2022年までに2万ドル、強気ケースでは5万5000ドルに達すると予想した。実際、ビットコインは2020年12月に2万ドル、2021年3月に5万5000ドルに到達した。
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