仮想通貨デリバティブ取引所ビットメックスは、ユーザーからビットコイン(BTC)価格の一時的な暴落報告を受け、「異常な活動」の調査を開始した。

午前1時(UTC時間)、ビットメックスのBTC/テザー(USDT)の現物市場で異常が発生し、一時的にビットコイン価格が約8,900ドルまで下落した。

情報筋によると、正体不明の個人または組織が短時間に400BTC以上の売り注文を出したことが原因とみられる。ビットメックスはBTC/USDTスポット市場における大量の売り注文を確認し、内部調査を開始した。

Source: BitMEX

ビットメックスによると、デリバティブ市場とXBTデリバティブ契約の価格は今回の変動の影響を受けなかったという。

仮想通貨リサーチャーのSyq氏によると、正体不明の投資家は2時間かけて10~50BTCずつ400BTC以上のBTCを売却した。また、ビットメックスは一部アカウントの出金を停止したことも明らかになった。

Source: Syq

ビットメックスはアカウント停止について、「一部の調査対象アカウントの出金停止を行っており、全てのユーザーの出金を停止したわけではない」と説明した。

ビットメックスは取引プラットフォームは正常に稼働中で、全ての資金は安全であることを確認している。コインテレグラフの取材に対し、ビットメックスは「個々のユーザーの行動、取られた行動、注文サイズについてコメントすることはできない。調査は継続中だ」と述べた。同社は、このような調査は通常のプロセスであり、今後の通知があるまで継続されると付け加えた。

ビットメックスの広報担当者は次のように説明した。

BTC-USDT現物市場で異常な活動を発見したため、調査を開始した。全てのシステムは正常稼働しているが、予想される市場範囲を超える攻撃的な売り注文が少数のアカウントから確認された。コンプライアンスチームは関連するアカウントを調査しており、今後必要があればユーザーに通知する。

ビットメックスのアーサー・ヘイズ前CEOは過去に、ビットコイン現物ETFが成功すれば、ビットコインを「完全に破壊」する可能性があると指摘している。

Arthur Hayes offers his thoughts on crypto investments. Source: Arthur Hayes on X

ヘイズ氏によると、ビットコインETF発行者が全てのBTCを保有すると、ビットコインネットワークのトランザクション数に悪影響を及ぼし、マイナーはトランザクションの検証を続けるインセンティブを失ってしまうからだという。

最終的に、マイナーは採掘に必要なエネルギーコストを支払えなくなり、採掘機を停止してしまう。マイナーがいなければ、ネットワークは消滅し、ビットコインは消えてしまう